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ベッドの足元のほうへと頭を向けて、窓から十分に広がる星空を颯人とともに眺める。
時間も気にすることもなく、外国製の上質なベッドは雲の上にでもいるかのようで、心も体もふわふわしている。
「幸せすぎる……」
颯人を抱きしめキスをすることでこれが現実だと実感する。
「…お前、いっつもこうなの?」
俺よりもずっとぐったりしてる颯人が聞いてくる。
「こうって…?」
「なんつーか……しつこい…」
「………いや?そんなことないと思うけど」
「しつけーよ!」
「付き合ってるから許して」
颯人の顔にスリスリと頬ずりしながら言うと、付き合ってるというワードに過敏に反応した颯人が腕の中でソワソワしているのでさらに強く抱きしめる。
「一誠って普段冷めてるのに…俺には欲望剥き出しってか、思いのままやるよな……」
「確かに」
颯人に言われてとてつもなく納得してしまった。
颯人を前にすると本当に自分を抑えられない。
こんなこと今までなかったし、抱き合ったら余計に欲しくなった。
「確かにじゃねー!俺のジャージ、ダメにすんじゃねー!」
ふんっと怒る颯人のそばにいることが心地いい。
なんでだろ…と、軽く考えるとその答えはすぐに見つかった。
颯人は口では怒ったり、嫌がったりしているけれども、なんだかんだで颯人は俺の全てを受け入れてくれるんだ。
今まで過ごしてきた生活や環境的にも、これほどの欲を持ったことがなかった。
颯人に魅かれ、めっちゃくちゃだった俺を颯人は今、こうして受け入れてくれている………。
感動でしかない。
颯人とずっとこうしていたい…。
「颯人……俺さ………」
全てが満たされて、心の拠り所を見つけられた今、無償に颯人に言いたくなった。
「医者になりたい…かも…」
チラッと颯人を見ると、少し驚いた顔をして俺を見てきたので照れる。
ちょっと前までなりたくないとかいってたくせに、なんだよって話だろうけど。
「小さい頃さ、家族でここにきて、さっきみたいに花火してたんだけどさ。俺、腕に花火くらって火傷したんだよ。そしたら、父さんがすぐに対処してくれたんだ…。」
俺は痛みで泣き叫び、母も姉も狼狽るしかなかったあの時、父だけは冷静に家族に指示して、処置してくれた。
すぐに冷やしたことや対応がよかったからか、跡は残らずに済んだ。
「あの時の父は本当にヒーローかと思うくらいかっこよく見えて、俺も父さんのような医者になりたいと思ったんだよな…。」
成長と共に父のしがらみしか感じられなくなってしまっていたけれども、小さい頃、ここで芽生えた父や医者への憧れも確かなものだった。
「いいじゃん。」
颯人の声が響く。
「一誠、性格悪いけど、優しいから医者向いてると思うぜ」
「性格悪いは余計だけど…優しいって思ってくれてたんだ?」
あんなにめちゃめちゃにしてたのに…。
過去を振り返ると颯人以外だったら怒るんじゃないだろうか…。
「ほんとだよな、あんなにめちゃめちゃにされてんのになんでそう思ったのか謎だな、はははっ」
颯人と俺の考えがシンクロしたので、俺まで笑う。
すると、颯人が俺の顔を撫でてくれたかと思いきや、そのままキス。
「……一誠、優しいよ。」
颯人から初めてキスしてもらった!!!
そんな嬉しいことをしてくれた颯人の顔は、天使でも見ているかのように温かさに満ちあふれていた。
あー…ほんと幸せだなぁ。
颯人の手を取り、俺からもキス。
そうするとやっぱり止まらなくなって、そのまままた繰り返し颯人を襲った。
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