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「いっちゃん、おかえりなさーーーい!!!」
数ヶ月ぶりの実家では、テンション高めの母親が俺を待ち詫びていた。
久しぶりの母親との対面もあり、なんだか気恥ずかしい。
「ひさびさー、なんかお土産ないの?」
リビングにいくと、ソファでくつろぎ相変わらず図々しい姉もいたので軽く無視した。
「いっちゃん、お友達と軽井沢楽しめたぁ?」
「ん…。買い出し助かったよ、ありがと」
素直に礼を言うと、母親は体を震わせながら今にも抱きついてきそうだったのでさりげなく離れた。
「いっちゃん1位だったし奮発しちゃったぁ。お腹空いてる?何食べたい?」
「別に…なんでも…」
「じゃあ、フルーツタルト作っておいたから食べましょー!」
即座にテーブルには、タルトと紅茶が並び、さっきまでソファで寝そべっていた姉も、タルトに釣られてやってきた。
タルトを食べている間、母親が趣味でやっているプリザーブドフラワーとか、その他何かをベラベラと話していたので、俺も姉も聞き流していた。
すると、二個目のタルトを食べようとしている姉から
「彼女できた?」
と、唐突に聞かれたので、反射的にドキッとする。
こいつ、マジで無神経すぎる…。と、腹が立ってくる。
「それどころじゃなかったわよねー、お姉ちゃんてばやーねー。軽井沢にだってお友達と行ったのよ」
大事な息子にまだ彼女ができていてほしくないんだろな…。
まぁ彼女じゃなくて、彼氏だし…
っていったら、どーなるんだかなー…
そんなこと考えたくもない。
「ねぇママ。早くイケメンの御曹司みつけてくんない?イケメンだからねっ!」
「もうっ!人は顔じゃないのよ!」
なんて女だ…と、思いながらも、俺自身顔から入りまくっただけに、何も言えなくなる。
そして、長女ってだけで、こんなクソワガママがなんだかんだで許されてて羨ましい。
しかも、外面だけは一丁前で、あんな厳粛な親父うまくやってるようだから、余計にムカつく。
気づけば目の前にはこれまた手作りのクッキーやスコーンがでてきていたので、甘い物でも食べて怒りを抑える。
「パパも今日は大きな手術があるようなんだけど、そのうち帰ってくるわよ」
母親がそれとなく父のことを伝えてくれた。
説教されるのか偉そうなことを言われるのか…俺自身どうなるかわからないから、会うのがかなり怖いかもしれない。
「食べないなら、そのスコーンちょうだい」
俺のものを平然と奪っていく姉は腹立つを通り越して、もうどうでもよくなっていた。
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