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颯人が他の人のものになることなんて、耐えられない。
颯人は俺のものだ…!
力をいれすぎたせいで、シャーペンの芯がボキっと折れる。
教室を見渡すと、授業中にも関わらず、数人の女子たちの視線が颯人へ向いていることがわかってしまう。
颯人の変化に、釘付けなのだろう…。
俺だって今すぐ振り向いて、じっくり颯人を見たいくらいなのに…。
しばらくすると、前からプリントが回ってきたので、わざと大きく振り返り颯人に手渡す。
そして、颯人の顔をじっくり見る。
骨格が前よりもしっかりしてきて、首すじが浮き出ている。
その切れ長な瞳はより精悍さを増して、より魅力を感じさせられる。
あぁ…見ているだけじゃ物足りなくなってきて、颯人の顔に触れたくなる。
颯人はそんな俺の視線に戸惑うように下を向き、すぐ後ろの奴にプリントを渡しだす。
でも、俺はまた颯人が振り返ることを待っていた。
「早く前向けー。」
邪魔が入ったので、とりあえず言われた通りにする。
颯人が他の人のものになるなんてことがあっていいものか…。
あの目で見られ、あの口に触れ、あの身体を感じるなんて…
絶対に嫌だ!
再びシャーペンの芯が折れてしまい、こんなにも独占欲が強いってことを知る。
休み時間になると、数人の女子が颯人のそばに近寄ってきて話しかけている。
「瀬戸君、身長伸びたねー!今何センチあるの?」
「ね、髪型も変わってイメチェンしたのー?」
今まで女子に囲まれる経験がなかった颯人は、動揺したのかサッカー部の奴らのところへと逃げていた。
すると、女子たちも金魚の糞のように颯人について回る。
この間までは俺のところにきていたくせに…。
そんなことはどうでもいいのだが、最近の女子は押しが強くあざといから颯人を丸め込む奴もでてくるかもしれない…。
俺のように…。
今はまだ颯人が女子に慣れていないけれども、これも時間の問題だろう…。
早くどうにかしないと…。
俺はもう覚悟ができている。
あとは―――
スマホに母から連絡が入る。
父が帰宅するそうなので、俺も寮でなく家へと帰ることにする。
わかってもらうまで、向き合うしかない…。
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