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颯人が女子に注目され始めて、数週間。
颯人もだいぶ慣れてきたのか、サッカー部の奴を交えて女子と話すようになっていた。
そして、ようやく俺も颯人ときちんと話せる時がきた。
寮に帰ってからにしようかと思ったけれども、そんな颯人を前に1秒たりとも待つことなんかできない。
「颯人、ちょっといい?」
他のグループの奴と颯人がいる時に話しかけるのは初めてだ。
その場にいた6人の同級生の視線が一気に俺へと向けられる。
当の颯人もこの状況で俺が話しかけてくるとは思ってなかったようで、さすがに驚き何も言えずにいる。
「用あるから、ちょっときて。」
「え…でも…」
「急ぎだから、早く。」
明らかに断ってきそうな颯人の手首を掴み、そのまま颯人を連れ去る。
クラスメイトも軽くざわついていたけれども、知ったこっちゃない。
なんなら、もう俺と颯人の関係に勘づいてくれ。と、さえ思う。
「一誠…何、急に…。授業始まるじゃん…。」
颯人が振りほどこうとしたけれども、俺だって絶対離さないと決めた。
そして、前々から目をつけていた屋上へと連れ出す。
ここなら完全に二人きりだ。
観念した颯人も大人しくその場にいてくれて、安心する。
今すぐ颯人を抱きしめたい気持ちを堪えて、話すことにする。
「颯人…俺、医者になることにする。」
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