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「っ…」
「無臭、多少の薄緑色、何らかの植物片…」
だからその文献か、と鼻で笑う悠牙が、ギロリとこちらを睨んでくる。
「どこで手に入れた?」
「知らぬ」
「おまえが調合したのか」
「言わぬ」
「どんな効果があるものだ」
ふんっ。
それが分かっているなら調べなどしない。
ツンとそっぽを向いた私に、悠牙の探るような視線が向いていた。
「毒か」
ずいっと顔を近づけて、どうなんだ?と圧力をかけてくる悠牙の声から、身をのけぞらせて逃げる。
「何のためにこれを用意した」
「答えぬ」
そうだ。これが新国王の悠牙を狙ったものであるのか、前王族唯一の生き残りの私を滅するために用意されたものか。はたまた別の何かなのか。とにかく何も分からぬ現状では、下手なことを言う気はない。
「彩貴」
「知らぬ」
プイッとますます視線を逸らし、私はつっけんどんに言い放った。
「ふっ、そうか」
冷たく笑いを漏らした悠牙が、次にはぐいっと私の腕を引き、よろよろと椅子から立たされた私の身体は、そのままズルズルと部屋の中央まで引かれていった。
「懲りずに暗殺の企みというわけだ」
また未遂だ、残念だったな、と笑う悠牙が、部屋の中央でパッと私の腕を離した。
「仕掛けても構わないが、仕損じたときは厳しい仕置きがある、と言っておいたな?」
「っ、好きにしろ」
これを手にしたときの思考の大半は、仇討ちのためだと。これさえあればいつでも殺せると、そう思うための御守り代わりに隠し持っただけに過ぎなかった。
だけど少しは…。ほんの少しは、その中身が何かによっては、悠牙に仕掛けてやろうと考えたことは否定出来ない。
「絞殺、刺殺の次は毒殺か。おまえも懲りないね」
よく手に入れたな、と笑う悠牙が、クイッと私の顎を捕らえ、持ち上げてきた。
「脱げ」
「はっ…?」
今、この男は、何を言った?
明るい真昼間の居室で、一体何の要求か。
ピシリと停止した思考が身体の動きも止めてしまう。
「聞こえなかったか?脱げと言った。上も下も全部だ」
「は?きさま、何を言って…」
意味がわからない。
「だから、着ているものをすべて脱げと言っている」
「はぁっ?」
いや、もうわけがわからない。
「何故私が、こんなところで着衣をすべて取り去らねばならないのだ」
「仕置きだと言ったはずだ。まぁその前に身体検査だけれどな」
「身体検査…?」
「こんな毒物を隠し持ち帰っていたんだ。他にもまだ隠していないか調べないとな」
「っ…!」
まさか、そんなことを言われるとは。
「持っていない!それだけだっ」
どんな風にされるのかは分からないけれど、裸にされて身体の隅々まで調べられるのだということは理解した。
そんな羞恥と屈辱はさすがにごめんだ。
「口ではなんとでも言えるだろう?」
「本当だ!私は他には何も…」
「だからそれを調べるって言っているんだ。これは仕置きだぞ」
拒否権はない、と高らかに言い放つ悠牙に、私はぐぅと唇を噛み締めた。
「国王の暗殺を企み、毒物を持っていた。それだけで罪状は十分だろう?」
極刑じゃないだけ有難がれ、と言う悠牙に、私はぐっと押し黙った。
「脱げ、彩貴」
それとも無理矢理剥がれるか?と目を細める悠牙に首を振る。
そんな屈辱を強いられるくらいなら、服の1つや2つくらい、自ら堂々と脱いでくれる。
「ふんっ…」
さぁどうだ。これでどうだ。
こんなもの恥ずかしがった方が負けなのだ。
私はこれでもかと言うほどいい脱ぎっぷりを披露し、見る見るうちに全裸を晒した。
「ふぅん?相変わらず綺麗な肌だねぇ」
じろじろと向けられる悠牙の視線が不躾でたまらない。
「調べるのならっ、さっさと調べろ!」
どうせ何も出てきはしないけれどな。
プイッとそっぽを向いて、悠牙の動きを待った私に、ふと影がさした。
「じゃぁ遠慮なく」
「っ…」
素肌をそっと悠牙の手に触れられて、ビクッと身体が跳ねた。
「足を開け」
「っ…」
しっかりとした着衣の悠牙の前で、1人裸でいるだけでも屈辱なのに、そんな姿勢にまでならねばならないのか。
じわりと滲む涙を堪えて、私はソロソロと両足を肩幅程度に広げていった。
「まぁ、何も隠しちゃいなそうだな」
するりと股の間に手を滑り込ませ、悠牙がにやっといやらしく笑った。
「ここは?」
「え?」
「使ったことはあるのか?」
「使う…?」
「シたことはあるのかって聞いているんだ」
する?何を?
身体の中心の、男の象徴であるソレを撫でられて、私はキョトンと首を捻った。
「はぁっ?マジか」
「きさま…?」
何を驚いているのだ。
「どこまで純粋培養なんだよ。天然記念物か?」
「きさま…」
なんだか分からないが、なんとなく馬鹿にされているような気がする。
「おまえの側近たちは教えてくれなかったわけ?溜まるもんは溜まるだろうに」
腐るぞ、という悠牙だけれど、言っている意味は全く分からない。
「ふっ、まぁ王族のおぼっちゃま王子様なんてそんなもんか」
「っ、私はもう王子ではっ…」
「あ〜、そうだな。それにしても…やっぱりこういうことは、妃を娶るまで禁忌ってことか?」
王室の習慣は分からん、と首を傾げる悠牙こそ。意味がわからない。
「まぁ純潔を守るってのもいいけどな…。ということは、つまり、こっちなんてもっとありえないってことか」
天然記念物と笑う悠牙が、不意に股の間から手を抜いて、臀部に回してそこを鷲掴みにしてきた。
「っ!何をするっ…」
「ぷくくっ、1からまっさらなものを育てていけると思うと楽しくてたまらないけどな」
「き、さま…っ」
「今はそうじゃなくて、仕置きだ。ここも検査する」
「っ!」
ここ、と言いながら触れられた場所は、まさかの場所で。
「正気か?」
尻の、穴など…。
「くくくっ、何も痛いことだけが仕置きじゃない」
羞恥も屈辱もそれのうちだ、という悠牙に目眩がした。
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