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「ヒッ……」
ヒヤリと触れた冷たい何かに、思わず情け無い悲鳴が漏れた。
「こら、腰を引くな」
逃げるなよ、なんて言われたって、そんな場所、自分ですら直に触ることなどありえないのだ。
それが直接、他人の指に触れられるなど、どんな屈辱と羞恥と恐怖か分かっているのか、この男は。
「ひぃっ、も、許せ。許してくれ…」
冷たい何かは、どうやら痛みを与えないための潤滑油か何からしいが、そのせいでぬるりと抵抗なく入ってくる悠牙の指が気持ち悪い。
「ゆ、うが…。そこには何もない…っ」
だからもう、と縋りついた悠牙の身体が、クスクスと可笑しそうに揺れた。
「そうやって早々に切り上げさせようとするところが怪しいなぁ」
「っ、ふざけ、るなっ…私は本当に何もっ…」
そもそもそんな場所に何かを隠し持つなど、発想すらあり得なかった。
「でも巷の罪人の中には、ココにイケナイものを隠していたやつがいるって、聞いたことがあるぞ」
「そんな者っ…」
私と一緒にするなと言いたい。
だけど国王の命を狙う私は、違わず罪人か。
「っ、っぅ…」
ぐちぐちと、抵抗もできずに尻穴の中をほじられて、私は我慢ならずに泣き出した。
「ないっ…何もないからっ」
「そうみたいだな」
「もう、いいだろうっ?」
こんな屈辱は聞いていない。
経験したことのない屈辱的な扱いに、私の心は折れて挫けた。
「悠牙。ゆうが。ゆうがっ…」
ぐずぐずと泣きながら、許しを乞う。
「くくくっ、随分と可愛げが出て。いいだろう。疑いは解いてやる」
「ならばもうっ…」
「ただし、仕置きはまだだ」
「っ…」
「これで終わりじゃない。今から少し反省の時間だ」
「悠牙…?」
こんな目に遭ったのにまだ?と浮かぶ疑問はそのまま顔に出た。
「くくくっ、可愛い上目遣いだが、許すのはまだ先だ。彩貴、国王暗殺未遂の罪、ここに立って反省してろ」
毒はやらかしたなぁ、と言いながら、悠牙はそのまま部屋の中央を示して言った。
「っ、このままか?」
「当然」
「っ…」
全裸で立たされる罰だというのか。
見ているのは悠牙だけとはいえ、その屈辱と羞恥は相当だ。
「動くなよ?動いたり隠したりしたら、ここに鞭が飛ぶ」
「っ、ムチ?!」
ここ、と言われて触れられた臀部は、この前、悠牙の平手に打たれただけで、泣くほど痛かったことを覚えている。
それが鞭なんて…。
絶対に耐えられそうにないと分かって、私はキュッと身体を緊張させた。
「まぁ15分…20分か?直立不動で我慢したら許してやる」
それまで素っ裸で置き人形になっていろ、と言い置いた悠牙は、ソファーの方へ歩いていき、ボスンとそこに身体を沈めた。
「っ、っ…」
ぺらり、ぱらりと悠牙が何かの書類をめくり出す。
手元に落とされた視線は僅かも私の方には向けられない。
「っ、は…っ」
無意味に上がっていく息はなんなのか。
同じ部屋の中にいるのに、状態があまりに違うことが私を追い詰める。
「っ、ふ…うっ…」
ただ裸で立っているだけなのに。
それが罰として与えられていて、私は罰を受けている罪人なのだと思ったら、気持ちがグラグラと揺れて弱くなった。
コンコン、「失礼します」
不意に、ノックの音が響いたかと思ったら、弥景の声がして、部屋の扉が開いた。
「っ…」
「おぅ、弥景か」
「悠牙様、ご昼食をお持ちしましたが…」
食事の乗ったワゴンを押して入ってきながら、弥景の目がチラリとこちらを見た。
「見るなっ…」
こんな情けなく無様な姿を。
他人に見られるなどどれほどの屈辱か。
思わず叫んで動こうとした私は、「彩貴」という低い悠牙の声にビクッと身を強張らせた。
「はぁっ、これは?」
「あぁ、弥景。気にするな。ちょっとそいつは仕置き中でな」
気にせず食事の用意をしてくれ、と言う悠牙がソファーからゆっくりと立ち上がる。
「っ、っ…」
じんわりと、目に滲んできてしまった涙を拭うことも許されず、私は部屋の中央でポツンと立っていた。
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