アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
54※
-
そうしてどのくらいグズグズと泣いていたのか。
「彩貴」
「っ…」
「お〜い、彩貴」
不意にポンポンと布団を叩かれて、私はひくんとしゃくりあげる声をそのままに、ますます強く寝具を引き寄せた。
「構うなっ…」
「そう言われてもなぁ…」
ギシッと寝台が揺れる気配がして、悠牙がそこに腰掛けたのだと知れる。
「捨ておけっ…」
頼むから、放っておいてくれ。
ぎゅぅっと寝具に包まって、強く望んだ願いは、悠牙の苦笑とともに取って捨てられた。
「だから、そうはいかないって。ほぉら、出ておい、でっ!っと」
「っ〜!離せっ…剥ぐな!」
「だっていつまでも布団の中に籠城されても埒があかないだろう?」
「明かずともよいっ」
「いやいやいや、よくないから。ほらっ…」
「っ〜!きさまっ…」
寝具を必死で押さえる手も虚しく、悠牙の力にガバッと布団を剥がれてしまった私は、泣き腫らした目をギロリと向けた。
「ぷっ、くくくっ、ひどい顔」
「っ〜!笑うなっ」
きさまに、私の気持ちが分かるかっ?!
あんな浅ましい姿を見られた私の気持ちが…。
「だぁってちょっと自慰の場面を見られたくらいで」
くらいとはなんだ!
あんなに恥ずかしい、って…。
「っ?じ、い?」
なんだ、それは…。
「え?自慰。マスターベーション。セルフプレジャー」
「………」
「あ、やっぱ知らない感じ?」
ぎゅぅっと眉を寄せてしまった私の表情で分かったのだろう。
悠牙がニッと笑って、「やっぱり箱入り王子様」と言い出すのが分かった。
「ば、かにするなっ…。それに私はもう王子ではないっ」
まぁ知らぬものは知らぬが。
「くくくっ、まぁ溜まったりシたくなったりしたときに?相手がいなけりゃ、自分で処理するしかない」
「溜まっ…。したく…?」
私はそんなことっ…。
ない、と言おうとした頭を、ポンポンと撫でられた。
「くくくくっ、いいって。おまえにもちゃんと性欲があるんだなって安心した」
にんまりと笑ってそんなことを言う悠牙にカッとなる。
「それで?」
「なんだ」
「オカズはなんだったんだ?」
「おかず?」
キョトンとしてしまった私に、悠牙はニヨニヨとにやけながら近づいてきた。
「まさか、コレじゃないよな?」
「っ!ひぅっ、何を…っ」
突然後ろに伸びてきた悠牙の手に、罰として入れられている張形をグッと押され、身体が派手に跳ね上がる。
「ん?どうなんだ?彩貴」
「ど、う、とは…」
動かすなっ!
グリグリと中の張形を押さえられ、ゾクゾクと震えてしまいながら、私は悠牙の身体にしがみついた。
「くくくくっ、だ〜か〜ら、何でココを熱くしたのかな〜?って」
「何って…そんなもの知らぬ。分かぁっ、んっぁ、ら、ぬ…」
今度は急に引くなっ。
何だかまた身体が熱くなってきたような?
ずる、と僅かに抜かれた張形に、声が裏返り、身体がビクビクとした。
「分からない?じゃぁ、身体が熱くなったとき、何を考えていた?」
「っ、そんなもの…別に。桧央と話して、いただけ、で…」
だから、話している間もぐりぐり、ぐりぐりと。
意識がそちらにばかりいってしまうではないかっ…。
「桧央と?」
「そ、うだ。桧央に気遣われてしまい…だけどそれは勘違いで…。でも私が受けているのは、その…。だからそのやりとりが何というか、酷く、恥ずかしくて…」
カァァッと顔を熱くしてしまいながらどうにか告げた私に、悠牙の目がにんまりと弧を描いた。
「なぁ〜るほど?」
「なんだ…」
「やっぱりMっ気があるんじゃん」
「きさま…?」
そういえばエム、エムとたびたび、それは何かの暗号なのか。
「恥ずかしくて身体が熱くなっちゃうタイプなんだろ、って」
「ひぁっ!」
いいこと聞いた、なんて嬉々として声を弾ませた悠牙が、不意にずるりと私のズボンと下着を脱がしてきた。
「何をするっ」
「ほぉら、また勃たせてる」
「それはっ…」
「あ〜、もしかして、さっきイかなかった?」
「っ、それは」
「そういえば間が悪いところに入室してしまった、って言ってたな…」
っ…。
それは桧央からか。
あのときの羞恥を思い出し、またカァァッと頬が燃えそうなほど熱くなった。
「なるほど、なるほど」
「なっ、き、さま、何をする…」
「何って…そうだな。お仕置きの仕上げ、かな?」
ニヤ〜ッと笑った悠牙が後ろのソレを、ゆっくり、ゆっくりと抜いていく。
「うっ、くっ…ひぅっ、それ、やめっ…」
「いい子にできたら、今回のことはこれで終わりにしてやるぞ」
「っ、んっ、はぅっ、あっ…」
ずるるる、と抜けていった張形が、後1歩というところでズプッとまた中に押し込まれる。
「ひぃぁっ…き、さま…」
「くくくくっ、どうだ?少しずつ、ここで快楽が拾えるようになってきただろう?」
「あぁっ、いやだ…もう、取っ…」
「だぁ〜め。ほら、気持ちいい」
「あっ、あっ、あっ、両方は…やめっ…」
「気持ちいいな」
あぁっ。
後ろの張形を抜き差しされながら、前の硬くなったものを扱かれる。
「はっ、悠牙っ…きさまっ…」
「ぷくくくっ、いいねぇ、完勃ち。さて、ここから…」
「っ、っ…?」
急に、何かを探るようにグリッと張形の動かし方を変えた悠牙に、うっかり油断して息を吐こうとした瞬間。
「ひっ、あぁぁぁぁっ?」
パァッと目の眩むような衝撃が押し寄せ、身体が勝手にビクビクとのたうった。
「ふっ、ここか」
みぃ〜っけ、とニヨつく悠牙に、私は訳もわからずしがみつく。
「いやだっ、やだっ、ゆうがっ…そこは、変だっ…」
「だから、変じゃなくて気持ちいい」
「よくないっ、変っ…へん…っ、あぁぁぁっ」
漏れる声は抑えが効かず、跳ねる身体も止められない。
同時に前も激しく擦られて、頭の中がぐちゃぐちゃになってきた。
「はっ…あ、ぅ、ぅ、悠牙ぁっ…」
「大丈夫。大丈夫だから、俺を見ろ」
「はっ、はっ、あぁっ、悠牙っ…」
前も、後ろも、目が眩むような、激しい何かの波が押し寄せる。
「あっ、あぁっ…」
「これが快感だ。ほら、彩貴、気持ちいい」
「き、もち、いい…?」
刷り込むように、馴染ませるように、同じ言葉が繰り返されて、だんだんそんなような気がしてくる。
「そう、気持ちいいな」
「あっ、あっ、きもちいい…。きもちいい」
これは洗脳だ、とどこか頭の片隅で思う。
けれども悠牙から与えられる刺激は確かに気持ちよく、頭も身体もふわふわしてきて。
「あっ、あっ…」
「イけ、彩貴」
「あぁぁぁぁっ!」
ボソッと耳元で艶のある声に囁かれたのがとどめだった。
きゅぅぅぅっと締まった後ろを感じるのと同時に、前から精液だと教えられたものが派手に飛び出す。
ぎゅぅっと足のつま先を曲げて、悠牙にきつく抱きついて、私はその衝撃に身を任せた。
「はっ、はっ、はぁっ…」
「よしよし、上手だ。合格だ」
「ふぁっ、はっ、あっんんっ…ゆ、うが」
ポンポンと頭を撫でてくる悠牙の手が、何だか心地よくてぼんやりする。
「ん、彩貴」
チュッ、と前髪の上から額に口付けを落とされて、私は多分、ふにゃりと微笑んだ。
その記憶を最後に、フッとすべての感覚が一瞬で途切れた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
54 / 68