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Episode1:綺麗な大人のつもり
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「ー……となる為、b^=ac+2aがこの問1の答えとなります。えー、では次の問を…」
キーンコーンカーンコーン
あ、チャイムなっちゃった。でも答えだけ、、、
「起立、気をつけ。」
まぁそうなるよな、チャイムなったら。
数学なんて学生みんなが好きになれるほどの
簡単な教科ではないし、早く終わりたい
というのが彼らの本望といえるだろう。
ずっと棒立ちしていて疲れた足を急に
動かしたせいで少し動きがもたつく。
そんなときにまさに俺を探していたであろう表情を浮かべた学年主任が走って向かってきた。
「喜多村くん。良かった、もう帰ってしまったのかとおもったんだけど、」
「あ、いえ今日は…」
午前上がりではないです。と言葉を発しきらないうちに学年主任は滑り込んできた。
「1年3組…あなたが教えてるクラスの
兼崎くんのお母さんが、数学だけがどうしても伸びなくて、って…もしかしたら喜多村くんの教え方に、問題があるんじゃないのかなぁ、とか。」
、、、
「あっ、そうでしたか…すみません、授業について兼崎
くんと相談してみます。すみません、」
俺が取り乱しているのを見兼ねた学年主任は、笑顔で
こちらこそね、と渋い顔をして離れていった。
直ぐに、俺は階段を急いで下った。
足の疲れなんてもう忘れて、
気づいたらカバンも持たないで校舎を飛び出していた。
「はぁ、はぁ。なにやってんだろ」
馬鹿なのだろうか俺は、
学生が授業をサボるのとワケはちがうのに、わかっていても日々の積み重なったストレスのジェンガが崩れた
ようだ。
この仕事をしてからよく言われるようになった。
「伝わらない」「もっとわかりやすく」と、
「あの頃」のインガオーホーかのように。
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