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一番大きなサイズのポテトにハンバーガー三つと大盛りナゲットが一つ
見ているだけでお腹いっぱいになりそうな量のメニュー
高校生にとってお手軽な値段でたくさん食べれるといえばこのお店
自分が頼んだハンバーガーを食べながら
黙々とトレーの上に乗ったメニューを食べていくウミを盗み見た。
「…」
「…」
普段食事中にたくさん話すわけではないけれど
気まずい雰囲気が漂う。
ウミがぜんぜん喋らない
それも俺が合コンの話題を出してからだ。
何がそんなに気に食わないのか服選びも早々に打ち切り
明らかに別の理由があるというような顔で腹が減ったというウミに連れられ店に入ったのが数分前
タイミングが良かったのかすぐに注文ができ席に座ると先程とは打って変わってレジ前には長蛇の列ができていた。
平日とはいえ世は夏休み期間しかも昼時
新しく出来たショッピングモールということもあり
俺らと同年代くらいの学生で店内は賑わっている。
だというのに、俺らの席だけ賑やかさの欠片もなく
ここはお通夜かってくらい静まり返ってる。
ウミもウミだ。
気に食わない事があるのならば言えばいい。
そうやって不機嫌さを出されては声をかけるにしてもどこに地雷があるかわからず慎重になってしまう。
「…」
「ウミ」
「……」
わざわざハンバーガーひとつ食べ終わるのを待ってから声をかけたというのにウミはまた新しいハンバーガーを手に取り食べ始めてしまった。
はい、無視
さすがにカチンときた。
まじでなんなんだよ、言いたいことあるなら言えよ。
そもそも俺悪くないだろ、なんでンな怒ってんだよ。
段々と俺の中でも怒りがふつふつと沸き上がる。
ウミが買ったナゲットをひとつ勝手に食べる。
「おい、それ俺の」
「たくさんあんだし一個くらいいいだろ」
「あ?」
食べ物に八つ当たりは良くないかもしれないけれど
怒ると腹が減る。
やっとウミはこっちを向いて目が合うと少し驚いた顔をした。
「なんだよ」
「何怒ってんだよ」
「はあ?怒ってんのはウミだろ」
「別に怒ってはいねえよ」
俺が怒りはじめていたことにも気づいていなかったようで
ウミの不機嫌そうな顔はどこかへ今度は訝しげに俺を見る。
俺が怒っていることに気づいて毒気を抜かれたのか
今度は至極冷静に言う。
怒ってないならさっきまでの態度は何だったんだよ。
「はい嘘ー。何に怒ってるか知らないけどまじ態度悪すぎ」
「…」
今度は急に黙ってじっと見つめられる。
何かを探るような視線に居心地が悪くなった。
「なに?文句?俺謝んねーよ」
「ほんとにわかんねえの」
「は?」
ウミは冷静だ。
淡々と思ったことを口にする。
「別に怒ってはねえけど、不機嫌な理由、ほんとにわかんねえのって言ってんだよ」
わかんないからこんなんになってるんだろう
ウミってたまに馬鹿だよな。
しかも無駄に強気だし
なんで俺が責められるみたいな言い方されなきゃなんないわけ。
「わかんない、言われなきゃわかんない」
「…」
はあ、と大きく溜息をついたウミ
またカチンと頭にくる。
ため息吐きたいのは俺なんだけど!?
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