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そこから40分近く、ピザが届くまでゆうくんは倒れたままだった。
呼び鈴が鳴ったら、ガバッと起きた。ホテルのスタッフがドアをノックして、玄関に置いてくれる。退室の合図のノック後に、ゆうくんは欠伸をして、よたよたと風呂場に消えていった。
かなりの倦怠感を抱えている身体を無理矢理起こして、僕はピザを取りに行く。匂いに、一気に空腹を感じた。テーブルに置いておく。それから、飲み物も。
ゆうくんが風呂から出てくるのを待つ。
意外と早かった。
ソファに座って、箱を開けるゆうくんをベッドから眺める。
「食おうよ」
「食べる」
「……………」
「……………」
「なに、まだ怒ってんの」
ベッドから動く気のない僕にゆうくんは言った。
「それなりに」
「めんどくせ」
「……………」
僕を気にせず食べ始めるゆうくんは、こちらを見ない。いい食べっぷりだなあ。
「元春」
「なに」
「…………悪かった」
僕は驚く。そして笑ってしまう。ゆうくんの隣に座って、少し睨む。
「悪いとか思ってないでしょ」
「ない。けどもうめんどくせぇよ」
「なにそれ。適当に謝られんのムカつくんだけど」
「笑ってんじゃん」
だって嬉しいんだもん。
甘やかしてくれて。
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