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>>遊馬視点
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どうやら木山は、本当に誰にも言わないつもりらしかった。時折、隙を見ては俺と二人で話したがる。
「他にのろける相手いないんでしょ?」
そう言われると俺は弱くて、ついつい口を滑らしてしまう。だって自慢したい。
あんなかっこよくて頭良さそうで優しそうな人が彼氏なら、めちゃくちゃ羨ましいと木山は言う。あんまそーでもねえよ。
かっこいいし、多分頭もいいんだろうな。でも優しさについては否定しておきたい。俺は愚痴をこぼすけど、それが俗にいう不幸系自慢ってやつだと自覚しては、あとで一人で落ち込む。そんなキモいこと、自分がするなんて思わなかった。
結局どんな不満や不安があっても、愛してるなんて甘ったるい気持ちに全部包み込まれて、溶かされて、怒りも寂しさも、ただのスパイスでしかない。
俺は木山に言いたいことだけ話して、誰にも知られたくないことは絶対に言わない。スマホは勝手に見られて、ハメ撮りは当然で、変な玩具使われて変なことされてる。どんな関係だよ。気持ち悪いセックスばっか。…………それがたまんなく気持ちいいってこととか。……誰にも言えない。…………
「おれも男、好きになろっかなあ……」
そんなことをぽつりと漏らした木山に、絶対にやめとけと俺は強く言う。
「………………え、なんでですかぁ?」
「遊び半分で手ぇ出していいもんじゃねえから」
「………それは性別関係なくそうでしょ」
「いや、次元が違う」
最悪の場合、一生を添い遂げることになる。
最悪じゃなくて最高じゃんすか、と木山は笑った。それならうっかり手を出してみろよ。知らねーからな。
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