アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
準備。
-
「んっ……ン…、」
キッチンで二人は互いの様子を伺うような啄むようなキスを交わしながら
次第にそのキスは深くなっていき…
やがて葵は手に持ったままだった皿を黒の大理石で出てたワークトップの上へと置き
自由になったその両腕を信の首の後ろに回すと――
葵は自ら吸い付くように更に信の唇を求め…
「はっ、、葵…、」
信は唇の角度を変え…
抱いている葵の腰を更にグイッと自分の方に引き寄せると
互いの身体はピッタリとより密着し…
二人は互いの唇を貪り合う様にその唇を重ね合う…
「ン……すき…、はっ…ン…
のぼる……、好き…っ、」
「ッ……俺もだ…」
お互いに我慢出来なくて…
二人の気持ちはより昂(たかぶ)り始め――
信が無意識に葵の着ているセーターの裾をたくし上げ…
その手を葵の服の中へと滑り込ませようとしたその時…
「ン”ッ、ン”ッ~!」
「ッ!?」
「ッ…、ちょ、」
二人しかいないハズのキッチンに突然…
わざとらしい咳払いが聞こえ
二人が驚いた様子で慌ててキスを中断し――
互いに口の端から若干垂れてしまった唾液を指や服の袖で拭いながら
咳払いのした方に顔を向けると
そこには先ほど風呂に入ったばかりだったハズの稔が立っていて…
「――あー……ちょっといいかな…?
ビールが飲みたいんだけど…」
「ッ…親父っ……もー上がったのかよっ!
さっき風呂に入ったばかりじゃねーかっ!」
「…僕が烏(からす)の行水なのは昔から知っているだろ…?
それよりもビールをもらってもいいかな?喉乾いちゃって…」
そう言うと稔は何げないフリをしながら冷蔵庫に向って歩き始め
信と葵は抱き合ったままそんな稔の動向を黙って目で追い…
やがて稔が冷蔵庫開け、中から500mlの缶ビールを一本取り出すと…
葵を抱きしめたまま不機嫌そうな様子で稔を睨みつけている信の方を振りむき
笑顔でその口を開いた
「それじゃあ僕は客室の方を使わせてもらうけど…
二人とも…あまり無理はしないようにね?
とくに信は体力馬鹿だから…葵君に無理させちゃ駄目だよ?」
「!?」
「ッ…いいからそのビール持ってとっととどっか行けっ!」
「フフッ…はいはい。
――それじゃあ二人とも……後はご自由に…」
そう言うと稔はニコニコしながらキッチンから出て行き――
「…」
「…」
後に残された信と葵は、気まずい空気の中…
それでも二人は互いをギュッと強く抱きしめたまま
無言の時間だけが二人の間を通り過ぎていき…
やがて信が名残惜しそうに葵を抱きしめる腕を少し緩めると――
葵の様子を伺いながら、少し照れ臭そうな様子でその口を開いた…
「……それじゃあとりあえず――その…一緒に風呂にでも行くか。
お前の準備とか……色々としないといけないしな…」
「ッ、あ……じゃあ信は先に寝室で待っててよ。
準備なら俺一人で…」
「―――いや。」
「ぇ……信…?」
葵が信から離れようとしたその時…
信の腕が離れようとする葵の身体を引き留めると
信が真剣な面持ちで葵の瞳を見返しながら言葉を続けた
「……俺に――やらせてくれないか?」
「…?やらせるって…何を…?」
葵がキョトンとした様子で信に聞き返す…
すると信の瞳が真剣みを増し――
「前戯を踏まえて…
お前の準備を。」
「―――え…………ええッ?!
っダ……ダメだよっ!そんなの…っ、
そんな事…信にさせらんないっ!」
「何故?」
「~~~ッ、な……何故って…、え~…っとぉ~…
だってのぼる……初めてだし…?
それにその…、ッ、
ッと…とにかく俺が…ッ!はっ……恥ずかしい……から…、ッ、」
段々と小さくなっていく声と共に、顔を赤らめた葵が徐々に俯いていき…
信がそんな俯いていく葵の顔を指先で優しく止めながら、クイッと上向かせると――
少し意地に悪い笑みを浮かべ…
羞恥で揺れる葵の瞳を見つめながら信が口を開いた
「…今まで散々俺の事を煽っておいて……
今更恥ずかしがる必要なんてどこにもないだろ…?」
「~~ッ、それは――そーかもしれないけど…
でも…、うぅ……でもぉ~…っ、」
葵は余程信に準備されることが恥ずかしいのか――
その表情に躊躇いと恥じらいを滲ませながら目に薄っすらと涙まで溜め…
信はそんな葵の表情に
背筋がゾクゾクするほどの加虐心を煽られながらも、その気持ちをグッと堪え…
涙の溜まった葵の目元を指先で軽く拭うと――
再び葵の身体を抱き寄せ…
その唇を葵の耳元に寄せながら、信は言葉を続けた
「葵…」
「ぅ…、」
「こんなんで恥ずかしがっていたら……この先お前の身が持たないぞ…?
なんたって俺は――
これから先…何度でもお前の事を抱く事になるのだから…」
「ッ!?」
驚いた葵が信に目を向けると
そこには悪戯っぽい笑みを浮かべた信の顔があり…
葵はそんな信の顔に見惚れながら思わず息を飲み込む…
「――当然。
俺はそのつどお前が嫌がろうが何だろうが準備兼前戯だってするし――
お前が俺に見られたくない…
お前の恥ずかしいトコロだって…俺はこれから何度でも見る事になる。
だから葵も諦めて――
大人しく俺にお前の準備をさせてくれ。」
―――お前の気持ちいいところを探る為にも…
「ッ……ぅ…、」
信の言葉に葵は顔を真っ赤にしたままその顔を信の肩口に埋め――
信はそんな葵の後頭部を苦笑を浮かべながらヨシヨシと撫でると…
やがて葵は観念したのか一度大きな溜息をゆっくりと吐き出し――
そのまま肩の力を抜くと…
信の肩に顔を埋めたままその口を開いた
「……分かった。
信の好きにしていいよ…もう……」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
139 / 203