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見た目で人を判断すると…
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「…人払いは済ませてあるか?」
新たに合流した男達に黒い麻袋を頭に被せられ…
そのまま男達に腕を引っ張られながら葵達がバックヤードの通路を進んでいると――
先頭を歩いていた男が、一歩後ろを歩く男に声をかけ…
「当然。搬入専用の駐車場の方には既に業者を装ったバンを二台停めて
他の業者が近づけないようにしてある。
このまま問題なければ何時でも“荷物”をバンに積み込めるだろう…
…だが急いだほうがいい。
ただでさえ今日は搬入方面で人の出入りが激しいからな。
早くしないとバレる可能性が…」
「分かった。オイ!そこのエレベーターに二人を乗せろ。」
「あいよ。オラ、さっさと乗れ。」
「ッ…、」
「わっ…」
仁と葵は周りの男達に促されるまま、業務用のエレベーターに押し込められると
エレベーターはそのまま地下駐車場へと下りていき…
「…そーいやぁ……あのサツのおっさんはどうしてる?」
「目と口…それと手足にダクトテープを巻いて大人しくさせてある。
どうする?コイツ等を運ぶ途中――
何処かで始末するか…?」
「ッ!?」
「そうだな……とりあえずはコイツ等をバンに詰めたら考えるとしよう…
邪魔になるようなら――」
チンッ!という音と共にエレベーターのドアが開き…
5人の男達に囲まれながら葵達がエレベーターを降り
バックヤードの通路を歩き始めたその時
背後から何者かがコチラに向って「あのぉ~…」という声をかけてきて――
「…あ”?」
「すいません……上の階に行きたいんですけどぉ~…
どうやら道に迷っちゃってぇ…
そこのエレベーターって使えます…?」
「ッ…、」
―――この声ってまさか…ッ、
葵がその声にピクッ…と反応し――
思わずその声の主に向って声を上げようとするが
近くにいた男が葵の背中に突き付けている固い何かを更に強く押しつけてきて…
「妙な真似すんじゃねぇ…殺すぞ。」
「ぅ…、」
結局葵は何も言えないまま…
麻袋の布越しに薄っすらと見える人物の影に口惜し気な視線を向ける…
すると葵達を囲む男の一人が声をかけてきた人物に近づきながら話しかけ――
「どうしたんだい?坊や…
此処は関係者以外立ち入り禁止だよ…?」
「あ!そうなんですか?ごめんなさい…
でも俺――道分かんなくって…
ところで――」
「ん…?」
「さっきから気になってたんですけど…
なんでそちらのお二方は――頭に布を被せられてるんですか…?」
「ッ…!」
その言葉に周りの男達の空気が一瞬で凍り付き…
葵や仁を押さえている男達からは
「どうする…?」「ヤバイぞ…」といった声が上がり…
「あー…彼らはその~…
これからちょっとしたドッキリイベントに参加してもらう為に
あえて布を被ってもらってるんだよ…」
「へぇ~…そーなんすかぁ~…
―――って……そんなわきゃねーだろーがバーカ。」
「ッ!?」
突然声色が変わり…
雰囲気が一変した目の前の少年?に男がたじろぐと
次の瞬間…
少年がピンッと伸ばした四本の指を
相手の喉元目掛け勢いよく突き出し――
「カハッ?!」
「なッ?!」
少年の突き出した四本の指は的確に男の喉仏を突き…
男は苦し気に大きく口を開け――
少年に突かれた首元を両手で押さえながら
その場にゆっくりと膝から頽(くずお)れていくと
それを見ていた男達が一斉にザワめき出し…
「ッなんだアイツ…」
「どうなってるッ?!」
「ッてめぇ…、」
カチャッ!と仁の背後にいた人物が、仁の背中に当てていたモノを背中から外し
少年に向け…仁の肩越しにソレを腕ごと前に突き出した瞬間――
仁はその突き出された腕を両手で掴み…
自分の肩を利用して二度三度と自分の肩に男の腕を叩きつけると――
男は手に持っていたモノを床に落とし…
仁はソレを確認するや否や、振り向きざま
自身の肘を背後の男の顔側面に勢いよくぶつけ――
「ブファッ、」
顔側面に肘鉄を食らった男はよろめき…
仁は頭に被せられていた麻袋をその場に脱ぎ捨てながら
今度はそのままよろめいている男の腹目掛けてキツイ正拳突きを食らわせると
男は腹を押さえながらその場に頽れ…
仁は更に勢いで近くで呆然としていた男の首をガシッ!と掴んだその時
近くから「痛ッ、」という声が聞こえ…
「ぅ…動くなッ!!」
「………」
「あちゃ~…」
仁と少年?が声のした方に顔を向けると
そこには麻袋越しに葵の頭に銃口を押し付け…
情けないくらい怯えた表情をした男と――
へっぴり腰で仁たちに銃口を向ける男の姿があり…
「ッコイツがどーなってもいいのかっ?!
嫌なら大人しく――」
「…おい片瀬。」
「ん~?なんすかぁ~?」
仁がもがく男の首を片手で押さえつけたまま
いつの間にか隣に立ってた少年…片瀬に声をかける
「…アイツ等の後ろに立っているあの男は――
お前の知り合いか…?」
「え……あっ!白井の兄貴っ?!」
「ッ!?」
「なにッ…?!」
男達が焦りながら後ろを振り返ると、そこにはアッシュグレーな髪色に
柔和な顔立ちをした若い男がいつの間にか笑顔で立っており…
「ッ誰だ貴様っ!」
葵に銃を突き付けていた男が
慌ててその銃口を後ろに立っていた男に向けようとした途端――
ボキッ、、と嫌な音が辺りに響き渡り…
次の瞬間――男の銃を持つ方の肘関節から下が――
ダラン…とあらぬ方向に力なく垂れ下がっていた…
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