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ベビードールランジェリー。
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信を乗せた車は約30分くらい走ったのち
キッ…というブレーキ音と共にそのエンジンを止め…
やがて後部座席のドアが何者かによってガチャッと開かれると
信は隣に座る男に押し出される形で車から降ろされ
真っ暗闇の中…信は神経を研ぎ澄ましながら辺りの様子を伺う…
すると車から何人かが遅れて降りてくる音が聞こえ――
「…さて……着きましたよ?若頭…
オイ、外してやれ。」
「分かりました。」
「ッ…」
信の目を塞ぐようにして貼られていたダクトテープが
隣に立つ男によって勢いよくベリッ!と剥がされ…
信は目をしばしばと瞬かせながら辺りの様子を伺うが
視界はぼんやりと霞んだままよく見えず…
「ああ!失礼しました。
コチラをどうぞ…」
そう言って御手洗は上着のポケットから信の眼鏡を取り出すと
信にその眼鏡をそっとかけ…
「これで良くご覧になれるでしょう?」
「………何処なんだ?ココは…」
信は薄暗い地下駐車場なようなところを見渡しながらそう呟くと
御手洗がニヤリと笑みを浮かべながら口を開き…
「御覧の通り地下駐車場ですよ。
川原第四倉庫の…」
「なに…?」
―――倉庫に地下駐車場…?
信は不審に思いながら御手洗に視線を向けると
御手洗は得意げに言葉を続け…
「おやおやフフ……不思議に思ってますね?“何で倉庫に地下駐車場が?”って…
実は此処――一見するとただの平屋建ての倉庫なのですが
その実態は地上1階、地下6階からなる私(わたくし)自慢の秘密の地下遊技場でして…
賭博にカジノ…闇オークションにSMクラブにファイトクラブ…
更には現実では満たすことの出来ない様々な欲望や性的欲求などを
思う存分満たす事の出来る憩いの場まで…
ありとあらゆる非合法な娯楽の数々が此処には用意されており――
それ故に刺激を求める多くの客人が後を絶たず…
官僚や政治家…様々な分野で名をはせた著名人達や――
果ては噂を聞き付けた海外の王族やセレブなんかも
お忍びでココを訪れたりもするんですよ?
さて――
無駄話はこれくらいにして
約束通り弟君と再開させて差し上げますよ。着いて来てください。」
「………」
そういうと御手洗はクルッと向きを変え、その場から歩き出すと
信も男達に挟まれ…辺りを注意深く見回しながら御手洗の後に続いた…
※ ※ ※
御手洗はエレベーターに乗り込むと
その顔に目元を隠すようなアゲハ蝶を模した仮面をつけ始め…
「…何だその仮面は。
仮装パーティーでも始める気か?」
「ンフ…此処でのお客様は皆、仮面をつけるのがルールでして…
私の場合は立場上――正体を隠すと言った意味で着けただけですよ…」
「ふ~ん……で。
俺にはくれないのか?その仮面…」
「貴方は――客人ではありませんし…
それに何より今晩行われるショーのメインキャストでもありますから
必要ないでしょう…
客としては今晩行われるショーのメインキャストの顔を
じっくりと見ておきたいでしょうし…」
「はっ……メインキャストね…
そういえばそのショーとやらの内容を聞いていなかったが…
お前は一体どんな見世物を俺にやらせる気だ?」
「ンフフッ…それはショーが始まってからのお楽しみという事で…
さて――目的の階に着いたようですね。降りますよ。」
「………」
そう言って御手洗はエレベーターを降り…
信もそれに続いてエレベーターを降りるが――
その先に広がる異様な光景に信は一旦足を止め…
「ッ…!」
―――なんじゃこりゃ…
降りた先は一見すると豪華で格式高そうなホテルのロビーの様にも見えるのだが――
そこにいる人々の様子が見るからに異様で…
―――ッは……なるほどな。こっからもう既に
“地下遊技場のプレイゾーン”に入ってるってワケか…
信が絶句しながら広い通路に立つ人々に目を向けると…
彼らはルール通り御手洗が着けているような
色とりどりのビーズやガラス玉が散りばめられた目元だけを隠す
動物の仮面の様な物をつけ…
中世ヨーロッパの貴族達が着ていそうなドレスやタキシードなどに
その身を包んではいるのだが――
問題はそんな彼らのすぐ傍では首輪に繋がれた全裸の男性が
四つん這いで歩かされていたり…
きわどい恰好をした女性がタキシード姿の小太りの男性と
壁に寄りかかりながら激しいディープキスを繰り広げていたり
果ては明らかに男性の物をしゃぶらされている複数の男女の姿まで確認でき…
信はウンザリとした様子でその光景を眺める…
すると信の隣にいた男の一人が、足を止めた信をどつくようにしてその背を押し――
「…さっさと歩け。」
「ッ…はいはい。」
信が両手を軽く上げ――
苦笑いを浮かべながらその場から一歩足を踏み出したその時…
今まで信の事など眼中になかったかのように情事ふけっていた客達が
一斉にその視線を信に向け…
「ッ、」
―――なんなんだよ…っ、
「…彼が…今晩の?」
「そうらしいですわね…」
「…?」
通路を歩く信を見つめながら客達がヒソヒソと話をし始め…
「ほほぅ……これはなかなか気の強そうな…」
「何でも何処かのヤクザなんだとか?」
「それは前から噂になっていた榎戸組の…?」
「いや……どうやら彼とはまた別らしいですよ?」
「どちらにせよ――今晩のショーが楽しみですなぁ~…」
「………」
―――榎戸組…?
一瞬聞き取れたそのワードに信が眉を顰める…
すると御手洗が豪勢な扉の前でその足を止め――
「…さ、着きましたよ?若頭…」
そう言いながら御手洗がその豪勢な両開きの扉を開け、部屋の中へと入って行き
信もそれに続いて部屋の中に入ると…
部屋の中はロココ調の家具で纏められた豪勢な造りとなっていて――
「…おや。隠れてないで出てきたらどうです?」
「ッ…、」
一見するとその部屋の中には誰もいないように思えたが――
御手洗が部屋の中で声をかけると
豪勢なソファーの後ろで一瞬人影が動くのが見え…
「…葵…?」
「…ッ!?」
信が躊躇いがちに葵の名前を呼んでみる…
するとソファーの背もたれの後ろから葵がヒョコっと顔だけを覗かせ…
「………のぼる…?」
「ッ、葵!」
「!信っ!!」
葵がソファーの後ろから勢いよくバッ!と飛び出す
「――――――ッ!??!!??!」
しかしその飛び出て来た葵の姿を見た瞬間――
信は言葉を失い…
「あ、お…、」
「…?」
その様子に信に駆け寄ろうとした葵がキョトンとした様子で信の事を見つめ…
ハッ!と我に返った信が上着を脱ぎながら慌てて葵に駆け寄ると
その上着を葵の肩にかけながら思わず声を荒げた
「ッおまっ、
何て格好をさせられてるんだ…ッ!!」
見ると葵は――
丈の短い…
肌が薄っすら透けて見える様な薄紫色のベビードールランジェリーを着せられていた…
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