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変な注射。
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「のぼる…?」
信は葵に羽織らせたスーツの襟を両手でギュッと握りしめ…
怒りでその肩を震わせると――
勢いよく御手洗の方を振り向き…
「御手洗テメェ…ッ!
お前葵に何て格好をさせてやがるんだっ!!」
「いい趣味でしょう…?」
「っふざけんな!」
「…おっとぉ……それでは私はこれで失礼させてもらいますよ?
これからショーの準備などもありますし…
また時間になったら迎えを寄越しますので――
それまでの間…お二人は感動の再会とやらを楽しんでて下さい。では。
おい、行くぞ。」
「ッ、待ちやがれこのっ、」
そう言って御手洗は自分に駆け寄ろうとする信に一礼すると
お付きの黒服二人と共に部屋から出て行き…
「っあの野郎…!」
信はイラついた様子で今しがた御手洗が出て行った扉へと近づき
ドアノブに手をかけるが
案の定――扉には鍵がかけられていて…
―――チッ…やっぱ駄目か…
ガチャガチャと…
無駄と分かっていながらも信は何度かドアノブを下ろそうとするが
ドアノブは固く固定されていて…
「クソが…」
「信…」
「!」
不安げな葵の声に信はハッとして振り返り――急いで葵の元まで戻ると
葵の身体を上から下まで確認しながら焦った様子でその口を開き…
「大丈夫だったかっ!?葵!
奴等に何か変な事は――」
「っううん…大丈夫だよ。何もされてない…
ただいきなり4,5人の下着姿の女の人達に囲まれて――
裸にされながらこの下着に着替えさせられたときはすっごく怖かったし
ちょっと泣いちゃったけど…」
「っ何…!?そんな事を女たちにされたのか…っ、
、ッ、それは――怖かったな…」
「うん…」
「他に――何かされた事は…?
最近は女でも油断ならねーから…」
「…大丈夫……色々触られて怖かったけど、それ以外は特に何も…」
「そうか…」
「のぼる…?」
「よかった…」
そう言って信は葵をギュッと抱きしめると
心底ホッとしたように葵の肩口に顔を埋め…
「お前が無事で……本当に良かった…っ!
またお前に何かあったんじゃないかと思うと俺は――、ッ、」
葵が攫われたと聞いた時はむしろ色々と考える事あって冷静でいられたが――
それでもちょっとでも気を抜くとすぐに葵に何かあったのではという不安が信を襲い…
「…気が狂うかと思った……マジで…」
「信……その…、心配かけさせて…ゴメンね…?」
「…何で謝んだよ……お前のせいじゃないだろ…?
それより――」
信はホッと胸を撫で下ろし…
名残惜し気にゆっくりと埋めていた葵の肩口からその顔を上げると――
改めて葵の姿を見つめ…
「………意外と似合うな。」
「…え?何が…?」
「その恰好…」
信の視線が葵の羽織っているスーツの隙間から覗くランジェリーに向けられ…
「俺……ベビードールはグラマラスな女性が着てこそと思っていたんだが…
これはこれで――」
信の視線が葵の胸元から徐々に下へと移って行き…
「…悪くない…
いやむしろ葵は脚も長く全体的にスタイルも良いから
ベビードールだと死にがちなストッキングとそれを繋ぐガーターベルトが映え…
より一層絶対領域が引き立ち、大人のエロスを感じるというか何と言うか…
っ悔しいが……こればっかりは御手洗のセンスを認めるしか…っ、」
口に手を当て…
いつになく真剣な眼差しで葵の下着姿を見つめる信に対し
葵がジットリとした眼差しを向け…
「…………………の~ぼ~るぅ~…?」
「Σはっ……なっ、なんだ?葵…、ッ、どうかしたのか…?」
「……………好きなの?」
「―――は…?何が??」
「こういうのが…」
そう言って葵が羽織っていたスーツの前を少し広げ――
信にランジェリー姿を曝け出す…
すると信は明らかに動揺した素振りを見せ――
「ばっ、、おまっ…!何前広げてんだ!(俺が)危ないから閉――」
「好きなの…?」
「う”っ…、」
「好 き な の ?」
「っそりゃあ――まぁ…?
エロイ下着を脱がすのは男のロマンっていうかテンション上がるっていうか…」
「ふ~ん…そっか。じゃあ俺――家でもこーゆーの着よっかな。
信が喜んでくれるのなら…」
そう言いいながら葵はベビードールランジェリーのレースがあしらわれた裾の部分を
指先で軽く摘まみ上げると
チラリと挑発する様な視線を信に送り…
「…どう?信…
なんかこう――グッときちゃったりしちゃう…?」
「っそれは――」
ゆっくりと焦らす様に葵がランジェリーの裾をたくし上げ…
やがて綺麗なレースが施された際どいショーツの一部がその姿を現したその時
裾をたくし上げる葵の手を、信の手が止め…
「のぼる…?」
「っお前……、お前なぁ…っ、」
耳まで顔を赤くした信が、葵が開けたスーツの前を再び両手でガッと閉じると
その手をプルプルと震わせながら葵の事を見つめ…
「こんな時に俺を煽ってどーすんだよっ!
襲われたいのかっ?!」
「え……だって信…こういうの好きかな~って思って…」
「ッ好きだけど……好きだけどっ!!
今やる事じゃねぇだろっ!?場所考えろ場所をっ!
お前はこの緊急時に俺の理性を試すような事してどーすんだ…!まったく…」
信は「フゥゥ~~…」と長く息を吐き出してから、一旦気持ちを落ち着けると
改めて部屋の中を見回し…
「―――そーいやぁ……仁はどーした…?一緒じゃねーのか?」
「…あっ!実はその事なんだけどひとくんが――」
「何だ……アイツに何かあったのか?!
ハッ!まさか…っ、」
信は嫌な予感を覚え…
その顔を青くしながら恐る恐るその口を開き…
「まさかアイツも――
お前と同じ様にベビードールを着せられたんじゃ……」
「…………………違うよ。」
「何だ違うのか…
俺はてっきり――お前と同じベビードールを着せられたから
恥ずかしくって何処かに隠れているのかと…」
信はちょっとガッカリとした様子で人が隠れられそうなクローゼットなどに目を向ける…
すると葵がいつになく強い力でガシッと信の腕を掴み…
「ッ、」
「こんな冗談言ってる場合じゃないんだよ信…っ!ひとくんがっ、」
「…仁がどうした。」
「ひとくんが……アイツ等に変な注射を首に打たれて…
そしたらひとくん……暫くして口から涎垂らしながらおかしくなっちゃって…、」
「なに…?」
それを聞いて流石の信も眉間に皺を寄せ…
「おかしくって……一体どんな風に…」
「わかんない……ただ獣みたいに唸り声を上げながら俺に襲い掛かろうとして――
あの御手洗って人が
「薬が強すぎたか…ショーまでに調整が必要ですね。」
みたいな事言ってて…
それで暴れるひとくんを男の人数人がかりで何処かに連れて行っちゃって…
俺っ…怖くて…」
「ッ、そんな事が…」
「信……俺達どうなっちゃうの…?
ひとくん……大丈夫だよね…?アイツ等に酷い事されてないよね…?」
「ッあぁ……アイツなら心配いらない。きっと大丈夫だ。」
「信…、」
「………」
信は不安がる葵をしっかりと抱きしめると
ギリッ…と奥歯を噛みしめ…
―――御手洗あの狸…
仁に一体何しやがったんだ…?
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