アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
⑶恵次サイド
-
将未が転校生を出迎えに行ってからどれくらいが経っただろうか。
俺は机にあった書類があと一枚となったと同時に将未が帰ってきた。
「転校生はどうだったか?」
俺は将未に尋ねた。
すると将未は何かに満たされたような顔で
「とても不思議な方でしたよ」
と言った。
おい。大丈夫か。軽く将未を心配する。
言葉には出さないが。
「彼、私が笑った時に気持ち悪い顔してんじゃないって言ったんです」
「、、、、、は????」
一瞬思考が停止する。何言ってんだ。こいつ。
初対面の野郎に気持ち悪いと言われて何嬉しそうにしてんだよ。
お前Mだったのか、、、
などと言った思考が頭の中を過ぎる中将未はお構いなしに話を続ける。
「無理して笑わなくていい。楽しくないのに笑うなって初めて言われました。今まで私じゃない私を求める人ばかりなのに本当の私を求めてくれた。とても不思議な気分です」
「とても面白そうな子だね‼︎」
「僕もあってみたい‼︎」
双子達が騒ぎ始める。
「将未がここまで揺くなんて俺も気になってきちゃったな〜」
「、、、まさ、、み、ぅれ、、し、、そ」
隆輝や嘉徳も転校生の話しをし始める。
「、、、」
こいつら頭ん中お花畑か??
将未のあの笑い方なんて誰がどう見ても作ってるってわかるだろ。
なんなんだ。一度指摘されたからって本当の私を求めてるって。
お前ら今日会ったばかりだぞ‼︎本当大丈夫なのか。
あいつらも興味深々だが。
やっぱりお坊ちゃん達の考えることには理解が苦しむ。
生徒会の仕事に問題が起こるようなことがなければ別に俺はあいつらが何をしようが関係ないがな。
あいつらも時間が経てばそのうち興味も失せるだろう。
そう思った俺はあいつらの話しを聞き流し最後の書類に手をつけた。
だが、今の安易な考えがのちに俺の首を絞めることになるとは当時の俺は知ることはなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
6 / 29