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(12)涼佑サイド
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今日も朝起きたら兄さんがいない。
テーブルを見るとラップがかけられたお皿が置いてある。
お皿にはベーコンに目玉焼きにほうれん草の野菜炒めがのっている。
お皿の隣にはメモが一つ。
「涼佑へ
おはよう涼佑。今日も朝一緒にいてやらなくてごめんな
テーブルに朝ごはんあるからレンジでチンして食べてく
れ。
今日お兄ちゃんは会議があるからバイトは休みだ。
いつもより早く帰ってくるからいい子にしてろよ」
兄さんは今頃学校なのだろう。
僕は兄さんに言われた通り朝ごはんをチンして食べる。
兄さんが作るご飯はいつも美味しい。
あっという間に食べ終わり僕も学校に行く準備を始める。
服を着替えランドセルを背負い家から出る。
学校に着くと校門に立っている先生に挨拶する。
先生も挨拶を返してくれて僕はそれを聞き学校に入る。
教室につけば朝から元気に教室で駆け回っている奴らを横目で流す。
それなりに仲のいい子たちと挨拶をし一緒に授業が始まるまで喋っていた。
今日は午前授業らしく普段より早く帰ることができる
みんなも嬉しそうに早く授業終わらないかなと言っている
1時間目が始まるまでが憂鬱だがそれさえすぎてしまえば後は一瞬だ。
あっという間に4時間目になりみんなのテンションは頂点に達している。
なんだかんだ言いながらも僕も意外とワクワクしている。
先生も僕たちの顔をして察したのか残り1時間だから頑張れよと言ってきた。
4時間目が工作だったのであっという間に授業が終わった。
僕は荷物を片付けて帰る準備をした。
帰りの会が終わったので家へ帰宅する。
ボーと歩いていたらいつのまにか家の前だった。
僕はドアを開けて家に入る。
家の中はとても静かだ。
僕はその中でいい子で兄さんの帰りを待つ。
兄さんは僕がいい子にしていると褒めてくれるから。
だから僕はいい子でいる。
いつものようにテーブルで宿題をする。
漢字ドリルや計算ドリルを黙々と解いていく。
宿題が終わった時にはもう2時半になっていた。
ドリルなどを片付けようとした時床に何かが落ちていることに気づく。
大きめの封筒だ。
中を見ると書類がぎっしり詰まっている。
一つのプリントが目に止まる。
提出期限が今日だ。
兄さんは生徒会長をやっている。
この書類は兄さんにとって大切な物なのだろう。
今日兄さんは会議があると書いてあった。
ならこれは必要な物なのではないのか?
頭の中でぐるぐる回る。
どうしよう。兄さんが困ってたら。
そう思うと不安が急に僕を襲ってくる。
いい子でお留守番してなきゃ行けない。
でも兄さんが困るのはやだ。
、、、、
「 届けに行こう 」
兄さんの通っている学園の道は知っている。
ここから歩いて13分くらいで着く場所だ。
道は平坦だから問題ない。
僕は兄さんが作ってくれたバックに封筒を入れる。
そうこうしているうちに時刻は2時45分になっていた。
焦った僕は急いで家から出て歩き始めた。
兄さんが困ってないか不安でひたすら黙々と歩いていく。
バックの紐に力が入る。
兄さん
兄さん
兄さん
なんとか兄さんが通っている学園についた。
相変わらずどれだけのお金をかけたのかわからないような立派な学園だ。
生徒たちが校門から出てくる。
僕は校門の前でずっと立っていた。
どうやって入ればいいかわかんなん。
そもそも僕って学園に入っていいのかと言ったことが頭の中で回っている。
色んな人の視線が集まる。
怖くなってなきそうになる。
泣く手前の方で急に誰かに話しかけられる。
「僕??大丈夫??ここに何か用かな??」
僕は声がする方を見ると黒上で優しそうな男の人がいた。
僕はその人になんでここにきたのか伝えようとした。
「僕の兄さんが、、ここに通ってて、、、
兄さんがおうちに大事なもの忘れたから持ってきたの」
なんとか伝えることができた。
すると男の人は理解できたのか
「お兄さんの忘れ物届けにこれでえらいね」
と屈んで僕の頭を撫でてくれた。
「僕の名前は仲町純男。風紀の副委員長をやってるの。
君のお兄さんのお名前を教えてもらってもいいかな?」
と聞いてきた。
「赤峰恵次兄さん。」
「赤峰、、、えぇぇぇ!会長!!!」
純男さんは兄さんの名前を聞くととても驚いた。
「会長様の弟さんなんてわかりませんでした。
会長様は今会議中ですので少々お待ちくださいません
か? 」
急に純男さんが敬語になって少しびっくりする。
でも兄さんはこれすぐに必要だから今すぐ渡さないと。
「今じゃなきゃダメなの。」
「と申されましても」
「今じゃ、、なきゃ、、ダメなの」
泣きそうになる僕に焦ったのか純男さんは
「今すぐお連れ致します」
と焦った声で僕を案内してくれた。
優しい人でよかった。
すれ違う人からの視線が痛いが無視して歩く。
「弟様、こちらが会議室です。
こちらに会長様がいらっしゃいますので私が入っていい
と言うまでお待ちください。」
そう言う純男さんに僕は頷く。
コンコン
「会長様、会長様にお客様がお見えしてます」
どうぞと純男さんはドアを開けたので僕は中に入り兄さんと呼ぶ。
すると兄さん驚いた顔で僕を見ていた。
「涼佑?」
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