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恵次サイド(14)
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会議室を出た俺は急いで涼佑がいる生徒会室に向かう。
書類が散らばっているが大丈夫だろうかと少し心配になりながら足を動かす。
急いで歩けばあっという間に生徒会室のドアの前に到着した。
俺は涼佑が安心する様に笑顔で部屋に入る。
「涼佑〜いい子にしてたか〜」
俺がそう言い入ると涼佑は俺に気づいたのか俺に駆け寄ってくる。
「兄さん‼︎お疲れ様‼︎」
涼佑が俺に抱きつきながら言う。
俺はそんな涼佑を抱きしめ返す。
「涼佑にいちゃん帰る支度するからもう少し待ってな?」
俺はそう言いながら涼佑を一度離す。
散らばっている書類をまとめようとすると風紀の仲町がいる事に気づく。
お前まだいたんかーい。
仲町は俺と目が合うとワタワタと慌て始めた。
いや落ち着けよ。
俺はとりあえず仲町に礼を言う。
「涼佑の面倒を見てくれて助かった。礼を言う」
俺がそう言うと仲町は礼を言われるとは思ってもいなかったのか余計慌て始めた。
だから落ち着けって。
「いえ!僕も涼佑様と遊ぶことができたので嬉しかったです‼︎」
仲町が急ぎ口で声を出す。
涼佑も仲町を気に入ったのか仲町の裾を掴んでいる。
仲町持って帰りたいな。
仲町になら涼佑の面倒も任せれそうだと俺は思いながら鞄に書類を詰め込む。
入り切るかこの量。
仲町はそんな俺の行動に驚きながら口を挟む。
「もしかしてご自宅にお持ち帰りになられるのですか‼︎」
中町は何を驚いているのか目を丸くして質問してくる。
「おう。それがどうした?」
俺はそんな仲町に対し平然と答える。
俺のこの態度にさらに仲町が驚く。
俺はそんな仲町を無視し書類を全て詰め込む。
おお。全部入った。
俺は帰る支度が済んだため涼佑に声をかける。
「涼佑〜支度が終わったから帰るぞ〜」
そう涼佑に伝えると涼佑は仲町の手を引きながら俺の隣にくる。
仲町は突然の涼佑の行動に驚きつつもついてくる。
よほど気に入ったんだろうな。
俺はそんな涼佑と仲町を微笑ましく思いながら二人に部屋から出る様に言う。
生徒会室を出て長い廊下を歩いていく。
涼佑は片方づつ手を俺と仲町で繋いでいるため上機嫌だ。
「兄さん‼︎今日のハンバーグ中にチーズ入れて?」
涼佑は会議の時に俺と約束した夕飯のことを言ってくる。
「おう。じゃ〜帰りにチーズ買わないとな」
俺は涼佑に笑いながら答える歩いていく。
仲町は聞きづらそうに俺に問いかける。
「会長、先程涼佑様からお聞きしたのですがご両親がいらっしゃらないと言うお話は本当ですか?」
「本当だぜ。」
俺はなんの戸惑いもなく答える。
涼佑は俺たちの話を聞いていたのか声を出す。
「兄さんはね‼︎母さん達がいなくなってからずっと一人で僕を育ててくれたんだよ‼︎」
涼佑が元気な声で言ってくる。
「一人で??」
仲町がつぶやく。
「うん‼︎兄さんはね毎日朝早くに起きてお仕事をしてね、夜遅くまでお仕事をするの‼︎」
涼佑は困惑気味の仲町に答える。
仲町は驚いた様に俺を見つめ大きな声を出した。
「会長、働いてらっしゃるのですか‼︎」
「働くって言ってもバイトだがな」
困惑している仲町にさも当然と言う様に俺は答える。
何をそんなに驚いているのか。
「この学園は金銭的に余裕がある方々が通っているのでてっきり僕は会長がどこかの王手企業の息子さんかと」
仲町は弱々しく話す。
「いや、俺そもそも特待生として学園に入ったからな」
俺はそう言うと仲町は目が飛び出すのではないかと言うほど目を大きく広いていた。
だからなんでそんなに驚くんだ。
「そんなの聞いてませんよ‼︎」
仲町が言う。
「いや、誰にも聞かれなかったからな」
俺は普通に答える。
仲町は俺の答えに驚きではとまた質問をする。
「生徒会室で親衛隊といかがわしいことをしていると言う噂は?」
「そもそも俺は親衛隊と関わったこともない」
俺がそう言うと何故今まで誤解を解かなかったのかと言われる。
そんな仲町に俺は当たり前の様に言い放つ。
「だって聞かれることがなかったからな」
俺がそう言うと仲町は黙り込んでしまった。
俺はまた口を開く。
「別に他人にどう思われようがどうでもいい。
俺には涼佑さえいてくれればあとは何も関係ないからな。
噂がどうか知りたければ俺の親衛隊に聞いてみろ。
俺はあいつらとも会話をしたことがなかった風紀が質問すれば答えてくれるだろ。」
俺は自身に親衛隊ができてたから関わることもなかったため別になんの問題もないのだ。
親衛隊もそれを知っているため俺を慕ってくれている。
仁美達より信頼できる存在だと俺は思っている。
そう思っているとあっという間に寮の子達の道に着く。
「仲町お前こっちだろ。今日は本当に助かった。
今度礼をする。」
俺はそう言い正門に歩み始めようとすると涼佑が俺の手を引っ張った。
涼佑は仲町を見ながら俺を声をかける。
「また純男くんに会える?」
涼佑の言葉に俺と仲町は固まる。
涼佑は不安そうに俺を見つめる。
「それは仲町に聞いてみないとな」
と俺は涼佑に言う。
すると涼佑は仲町に向き合う。
「純男くんまた遊んでくれる??」
涼佑が仲町に言うと仲町は顔を赤くしたりワタワタしたりする。
落ち着けって。
仲町は落ち着いたのか涼佑の前に来て屈んだ。
「僕でよければいくらでもお付き合い致しますよ」
すると涼佑は嬉しそうに小指をだし約束ねと言いながら指切りをする。
指切りをし終わった涼佑は満足したのか俺の隣にくる。
仲町が俺を見つめる。
俺はそんな仲町に口を開く。
「お前らにとっては小さい家だと思うがよかったら休みの日とかに来てくれ。
俺もバイトとかであんまり涼佑に構ってやれないからお前が来てくれると助かる」
俺がそう言うと仲間は驚きながら口を開く。
「僕の様なものが会長のお宅に行ってもいいのですか」
「いや、俺からお前に頼んでんのになんでお前の方が質問してくんだよ」
俺がそう言うと仲町は顔を赤くする。
「是非お邪魔させていただきます」
仲町は涼佑と俺を見て口元を緩めてそう言う。
「おう。是非ともそうしてくれ。涼佑も喜ぶ。」
それを言うと仲町は優しく笑った。
俺と涼佑は正門を出て歩いていく。
「涼佑今日は本当にありがとな」
俺はそう言うと涼佑は嬉しそうに俺をみながら口に開く。
「僕も楽しかった。兄さん、ありがとう」
俺は幸せだなと思いながら涼佑と夕焼けの中を歩いて行った。
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