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1 sideラルフ
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月は嫌いだ。
夜は自分のものだとでも言いたげに我が物顔で夜空に居座っているソレが、自分の身を照らす度、オレは己を呪う。
どうしてオレは今日もここにいるのだろう。
どうしてオレは今日も生きているのだろう。
どうして――
「おい。勝手にトぶな」
頬をぶたれ、落ちかけた意識が再び浮上する。
「ほら、ココが好きなんだろ?」
「…ッ、~~~~!」
穿たれる度にジャラジャラと鳴る鎖の音が、こいつの『物』なのだと言っているような気がして酷く気分が害される。
矜持だけは捨ててたまるかと宿した意思さえも、こいつらの前では興奮材料になるのだから。
…今夜も空には月が浮かんでいる。
投げ出された四肢を照らし出す月光が、自分を醜く映させる。
「…誰か」
オレを、見つけてくれ――。
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