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第1章 Stage 2
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ウエストにかけた手を、片手は胸元へ、もう一方は前を開いたホットパンツの中に滑らせ、膨らみを包み込み、先端だけをホットパンツの隙間から覗かせた。
見たかったのはコレだろ、とばかりに……
口紅を塗った唇を、突き出した舌で舐めながら……
そうして客席のボルテージが頂点に達した頃、俺は漸く唯一身に着けていたホットパンツを脱ぎ捨てた。
途端に湧き上がる歓声に、身体が震え、俺が存在するべき場所は、このステージの上なんだと思い知らされる。
細かいステップでリズムを刻み、伸ばした指先に全神経を集中させた。
もっとも……、俺がどんなに優雅に舞おうと、激しく身体を揺らそうと、観客はそんなこと気にしちゃいないけど……
観客が見ているのは、ゆるゆると頭を擡げ始めた俺の中心と、足を開いた時に覗く秘部だけ……
それでも俺はかまわない。
俺のためだけに用意されたステージで、俺だけを照らし出すスポットライトを全身に浴び、蝶が鱗粉を撒き散らすように汗を飛ばすこの瞬間が……
この瞬間だけが、何よりも幸せだと感じることが出来るから……
凡そ10分程度のステージを終え、舞台袖に捌けた俺を、翔真が抱き留める。
「お疲れ様。良いステージだった」
背中に回った手が、汗ばんだ背中を撫でる。
「シャワー浴びて、先に帰ってろ」
「……分かった。キス、してくれたらな?」
翔真の胸に埋めた顔を上向かせると、俺はキスを強請るように瞼を閉じた。
すると小さな笑いを漏らして、翔真の唇が俺の唇に重なって……
触れるだけのキスを交わし、漸く翔真の腕からすり抜けた俺は、程よく疲労の溜まった足で薄暗い階段を駆け上った。
「口紅、着いてんぞ……」
途中、振り向き様にウィンクを一つ投げかけながら……
「ただいま……」
楽屋に入った俺は、写真に向かって声をかけると、すぐさまシャワールームに駆け込んだ。
脱ぐ物はなんてないから、楽なもんだ。
ぬる目のシャワーを頭から浴び、顔に施したメイクと、身体に塗ったクリームを洗い落として行く。
流れ落ちて行くメイクと一緒に、ステージで声援を一身に受けていた俺が消えて行くこの瞬間が、俺は好きじゃない。
出来ることなら、ずっと踊っていたい。
何も考えることなく、一心不乱に舞っていたい。
叶わない事だけど……
全身に纏わせた泡を流し、シャワーコックを捻ると、俺は身体に着いた滴をタオルで拭い、軽く火照った身体に私服を着込んだ。
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