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第2章 Frustrating Feeling 3
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マンションに着いた俺は、シーツが濡れるのも構わずずぶ濡れの智樹をベッドに下ろし、バスルームに入った。
冷えた身体を温めてやるために、バスタブに湯を張り、着ていた物を全て脱いでから寝室へと戻る。
「ほら、取り敢えず風呂入るぞ?」
グッタリとする智樹を抱き上げて脱衣所に運び、濡れた服を片っ端から剥ぎ取ると、再び智樹を抱いてバスルームへと入る。
智樹仕様の温度のシャワーを全身に浴びせかけてやる、が……
智樹が目を覚ますことはなく…
溜まりかけた湯に智樹を抱いたまま浸かった。
「ったく、何やってんだよお前は……」
僅かに開いた口で短い呼吸を繰り返す智樹の背中を摩ってやると、微かに長い睫毛が震え、少し色の戻った頬を涙が伝った。
俺はそれを唇で吸い取ると、いつもよりも確実に熱い智樹の額に自分の額をコツンと当てた。
ヤバいな……、コイツ熱あんじゃん……
これ以上の長風呂は逆効果だと判断した俺は、早々に風呂から上がり、智樹をバスローブで包んで寝室へと運び、スウェットを着せ付けてから、今度はキッチンへと向かった。
朝出かけたままの状態のシンクから智樹のマグを探り出し、ポットの湯を注いでからそこにスポーツドリンクを足した。
「ほら、これ飲め…」
背中を支えるようにして上体を抱き起こし、マグを口に運んでやる。
すると智樹の喉が二度三度コクンと鳴った。
「もう少し飲めるか?」
耳元に口を寄せ聞くと、智樹が小さく首を横に振って、フッと息を吐き出した。
「ごめ……、め……わく……かけて……」
意識があるのかないのか、智樹は俺の手を握ると、瞼を数回震わせた。
「いいからもう寝ろ」
うん、と頷く智樹に布団をかけ、深い眠りについたのを確認してから、俺はリビングへと入った。
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