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第3章 Collaboration 1
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翔真さんの許可を貰ってマンションに泊まることにした俺は、智樹の看病は俺が引き受けるって理由で寝室を陣取った。
家主である翔真さんには、申し訳ないけどリビングのソファーで寝て貰うことにした。
散々文句言ってたけどね?
でもどうせ仕事のせいにしてまともに寝ないだろうし、それに翔真さんには聞かせたくなかったんだ、熱のせいだとは言え、熱い息と一緒に智樹の口から吐き出されるあの人の名前を……
だってハッキリと聞いたことはないけど、翔真さんがどれだけ智樹のことを大切にしてるか……、どれだけ愛してるか、俺は知ってるから。
だからかな、翔真さんには聞いて欲しくないし、聞かせられない、って思ったんだ。
「もういい加減忘れちゃえばいいのに……」
額の冷却材を貼り替えながらポツリ呟く。
前に智樹から聞いたことがある。 まだ翔真さんと知り合う前、とても大切な友達がいた、って……
でもその人はもうこの世にはいない、って……
そして最後に言ったんだ、目に一杯涙を溜めて、
「俺が殺したんだ」って……
勿論、俺はそんなの信じちゃいない。
智樹が人を殺せるような性格じゃないことは、見てれば分かることだから。
それに智樹はハッキリとは口にしなかったし、俺も敢えて突っ込まなかったけど、智樹が“友達”だと言うその彼のことを、智樹は本当は好きだったんじゃないか、って……
滅多に本音を口にしない智樹だからこそ、熱に浮かされ譫言で吐き出される言葉は、智樹の本心なんだと思う。
でもさ、智樹……?
智樹どれだけその”潤一”って人のことを想っていたって、もうその想いはもう届かないんだよ?
「翔真さんが可哀想だよ……」
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