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第7章 Fate 1
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まさかこんなことになるなんて、思ってなかった。
ううん……、アイツらが劇場に現れた時から、いつかこんな日が来るってことは、いつも頭の片隅で予想はしていたんだ。
だから今回の公演が終わったら、もう智樹達の前から姿を消して、ストリッパーの世界からも足を洗おうって思ってた。
ストリッパーの仕事は、全然楽じゃないし辛いことだってあったけど、嫌いではなかったし、それに何より智樹を初め、支配人でもある翔真さん達にも、十分過ぎるくらい良くして貰った。
だから出来ることならこのまま……なんてさ、そう願わないわけでもないけど、アイツらに居所を知られてしまった以上、もうそれも淡い夢でしかない。
これ以上大切な人達に迷惑はかけられないもん。
なのにどうして?
「なあ、俺じゃ何の力にもなれねぇかもしんねぇけど、話してくれないか?」
俺のために酷い目にあったのに、どうしてそんな事が言えるの?
平気なフリしてるけどさ、どうってことないって智樹は笑うけどさ、俺分かるんだよ?
ボロ雑巾みたいに扱われて、本当は身体だって辛いだろうし、何も言わないけど翔真さんのことだって……
いっそのこと殴ってくれれば、もっと楽になれるのに…
「な、和人?」
そんな風に優しくされたらさ、駄目だって分かってるのに、甘えたくなっちゃうじゃんか……
「前にさ、話したことあったよね、俺がウリやってたこと……」
目の前で智樹が無言で頷く。
そして俯いてしまった俺を覗き込むようにして、所々擦りむけた指で、膝の上で握った俺の手を包み込んだ。
「どうしようもなかったんだよ……な?」
「……うん」
身寄りも行く当てもなく、学歴すらない俺が、たった一人で生きて行くには、そうするしかなかったんだ、その時は。
今思えばもっと違う道があったんだろうけど……
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