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第9章 For You 6
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夕焼け空を思わせる茜色のスポットライトの下、ただ真っ直ぐ正面だけを見据えて、幾重にも重なった袖を垂らすように両手を広げた。
後ろに長く伸びた緋袴の裾を引き、視線はそのままに、広げた袖を鳥が羽ばたくかのように靡かせ、センターステージをくるりと一周する。
不思議なことに、一度ステージに立ってしまえば、衣装の重さなんて微塵も感じなくて、面白いくらいに身体が思うように動く。
これならいける……
再びセンターステージ中央に立った俺は、身体を横に傾け、落とした肩から唐衣からぎぬの襟を滑らせた。
元々舞台衣装用に作られた物だから、着脱は思ったよりも簡単だ。
俺は曲が転調する度に、上半身だけを自在に操りながら、表着うはぎ、打衣うちぎぬ、五衣いつつぎぬと順に脱いで行き、最後に客席に背を向けた状態で小袖を脱ぎ捨てた。
そして肩越しに客席に向かって流し目を送ると、何処からともなくゴクリと息を吞む音が聞こえた。
僅かに開いた唇に笑みを湛え、露になった肩に先端まで神経を注いだ指先を滑らせながら、もう一方の手で緋袴の帯を解いて行く。
全てを脱ぎ捨てる、この時がもしかしたら最も緊張が高まる瞬間なのかもしれない。
俺のボルテージは一気にマックスまで上り詰め、緋袴がストンと板に音を立てたと同時にステージ上に鳴り始めたメロディアスなロックチューンに合わせ、何一つ身に纏うことの無い身体を仰け反らせた。
両手を喉元と下腹部へと滑らせ、腰をくねらせる。
時折聞こえる溜息にも似た声も、ストリッパーとしてだけではなくダンサーとしての俺を品定めするような視線も、それら全てが快感となって俺の身体を震わせた。
俺はステージの上で尻を少しだけ浮かせると、立てた膝の間……その奥で手に覆われた膨らみを見せつけるように足を開いた。
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