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「真慕、美味しい?」
葵は下手くそに掴んだスプーンを愛おしげに見て、優しく言う
「んー」
「ちょっと違かった?」
「…人参。嫌いって言ったのに入れた」
「う…それは、ごめん」
ちゃんと別ゆでしたから柔らかいし味も染み込ませたけどやっぱり嫌いな味するかな···?と不安そうに見つめてくる葵。
俺は働く葵に家事全般をなすりつけているのはもちろん、
「寝たまま食べだらダメ」
「膝を立てて食べたらダメ」
それから「お風呂から上がったら髪を乾かす」
「近所迷惑になるから夜中に大きな音は出さない」
「ものは出したら片ずける」
「家に人を呼ぶ時は断りを入れる」
こういう常識的なことも守れない人間だ。
俺のクズさはどこでも直ぐに発揮される
けど葵は「真慕はクズなんかじゃないよ。大丈夫。治したくなった時にいつでも治そう。その為に俺は正解を勉強しておくね」といつも大切そうに抱きしめ、撫でながら言われる
俺のどこにそんな価値があるのか分からない
「人参、俺のお皿に頂戴?ごめんね」
「最初から入れんな」
「だってもしかしたら、美味しい味になってくれてるかもしれないからさ。つい」
いつもニコニコして、いいよー。って笑って。
普通こういう時は怒るよな
そもそも、家にいるお前が作っておけよ。みたいな話になるはずだ普通。
「ごちそうさまでした」
「え、もういいの?」
「腹いたい」
これは嘘じゃない
昨日、葵が仕事に行っている間になんかムラムラしてきてこっそり自慰してたらイったのと同時にモヤモヤして布団に潜ったら寝落ちして、そしたら腹冷えたみたいで朝から痛い
「えっ、…それは聞いてない
いつから?いつから痛かったの?」
理由も人に言えたものじゃない
「朝」
「お薬は?」
「そんなんじゃない。すぐ治るからいい」
なにか言いたそうな葵を置いて、寝室に入った
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