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「真慕(まも)、湯たんぽつくったよ
温めたら少し良くなるかな?」
「…ぁ、…」
「真慕?」
あおい。
そう言おうと思って口を開いて、自分で思い出しておいて、その記憶に怖くなって布団をぎゅっと握りしめて丸まった
「ぉえっ……」
「っ!────真慕。起こすよ」
布団と引き剥がされ、口元をタオルで拭かれる
先程食べたばかりのものを戻してしまった
「体調悪かった…?気づかなくてごめんね」
抱き起こされ、葵の腕の中でポンポン、と優しく背中を叩かれる
あの記憶にはすぐ蓋をして、目の前の葵の温度に集中した
「あれ、眠いの…?ふふ」
微笑んだ声が聞こえた
葵の身体は暖かくて、お腹に当ててくれている湯たんぽも暖かくて、突然安心したのかどっと眠気が襲ってきた
「今日もお疲れさま。頑張ったね」
一日の終わり、葵はおやすみの言葉の後、いつも必ず「頑張ったね」そう俺に言った
…クズで最低な俺の1日。
人並に考えたら何もしてない、遊んでいるだけの1日。そんな1日なのに、……誰にも言ったことないのに…それなのに、頑張ったことを、認めてくれる言葉。
トントン、というリズムを聞きながら頭にもやがかかってきて段々と意識が遠のいていった
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