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「真慕(まも)さん、熱測らせて頂いていいですか?」
「いい。帰る」
ふい、と顔を背ければ「測りますね」と強引に体温計を挟まれる
やるなら聞くなよ
選択肢ないじゃん。
俺がすぐに動こうとするのがバレたのか、上から腕を押えられて動けない
「顔色悪いね、気持ち悪い?」
目を見られて直ぐに顔ごと逸らした
「うるさい」
大体、お前らのせいだろ。
病院の管理どうなってんの、なんで俺が、あんな…
「────っ、」
「吐きそう?」
目の前の知らない顔
抑えられた腕
そして、痛み続ける手足。
…この感じ
やばい
気持ち悪い。
「吐けない?」
吐いていいのよ、背中をさすられて思わず叫んでるみたいな、悲鳴みたいな、変な声が出た
「すみません、一度離してください」
葵が有無を言わさず看護師さんの手を掴んで離してくれる
「帰ろうね、すぐ帰れるよ」
体の向きを変えられ、視界に人は居なくなって壁に貼られたポスターだけが視界に入る
少しそうしてじっとしていたら、背中にトントン、というリズムを感じた
悔しいけど、葵は俺を落ち着かせる方法を知り尽くしていた。
「大丈夫そうだね」
「一々うるさい」
ぎゅう。と抱きしめられてペチ、とその腕を叩いた
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