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14 過去
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┈┈ 過去〈真慕〉 ┈┈┈
「…青いのないね」
「何でもいいだろ。これでいいか」
「…うん、ありがとう」
その日はケータイを買いに来ていた
家のパソコンで調べていたお目当てのものがなくて、でもケータイは欲しくて。
父さんが指したのは売られている中で1番安いものだった
他に比べて分厚めで、色もあまり好みではない
でも、しょうがないかな…買ってくれると言ってくれているんだから、わがままを言っちゃいけないのはわかってる
「これにする…いい?」
そっと手に取って聞いてみれば「じゃあレジ行くぞ」と手を引かれる
小学生の頃からずっと欲しかったケータイだけど、お目当てのものがなくて、買ってもらうのは古い型の安いやつで、父さんも面倒くさそうで。
とっても楽しみにしていた日だったのに。
案外悲しい結末で現実的。
小さなケータイの箱を持ってレジに行った時だった
『────手を上げろ!』
俺の人生が変わったのは。
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