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「サンドイッチ、野菜じゃないの無いの?」
葵に手を繋がれ、離そうとしたけど離してもらえなかった
「チキンあるよ」
「どこ?」
「これ。はいどうぞ」
「いい匂いする」
「ふふ、可愛い。沢山食べてね」
一通り城の周りを歩いて、それから城とライトアップされた木々が見える丁度いいベンチに座った
久しぶりの外出と、久しぶりの運動。と言ってもちょっと歩いただけだけど。
「ね…葵。」
こうやって広い場所で落ち着いて2人きりになると、普段言えないこと、思わないこと、色んなものが浮かんできてつい声に出てしまう
「どうしたの?」
城を眺めていた視線はそのまま俺に移った
「バイトとかしたい」
「え、そうなの?」
「…忙しいのはしたくないけど、お金欲しい」
普段はこんなこと思わないのに。
お金は葵から沢山貰っているのに。
外出たくない。寝たい。だらけたい。
それだけなのに、こうしていると不思議と葵への負担が少しでも減ればな、なんて思う
家に帰ったらこの気持ちはきっと無くなるだろう
まるで別の人格が俺の中に入ってくるみたい
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