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31 葵の飲み会
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side葵
「甘やかしすぎじゃない?」
「そんなことないと思いますけど」
同じ病院に勤務するメンバーで飲みに来ていた
計6人の、なぜ仲良くなったのかも分からない謎の組み合わせ。
受付の人だったり内科だったり外科だったり、精神科だったり、清掃員さんだったり。
なんとなく仲良くなった不思議な組み合わせ。
「強引にいってみたら?
詳しくは知らないけど多少は気持ち整理させてあげないと本人が1番しんどいでしょ。」
タイミングを見て、俺は精神科の先輩の隣に座り、真慕のことを話していた
先輩には入社した時からずっとお世話になっている
面倒見が良くて、人の話を聞くのに長けている印象
それから身長は190もある高身長。
「でもそれって思い出したり、口に出してみたり、ってことですよね
それじゃあ真慕は辛い時間を過ごす。それは…」
お酒を飲んでいることや、それ専門の人が話を聞いてくれるという状況
最近辛そうに夜魘される回数が増えていることもあり、普段は口にはしない真慕のことを相談してしまう
「でも、不運にもそういう目にあったのは事実だよ。
それはさ、日常生活で思い出したくないのは当然。
けど、トラウマっていうのは爆弾だからさ。解決してあげるのに越したことはないと思うよ
せめて苦い記憶くらいにまでは。」
「…」
それは、そうかもしれないけど。
俺は1秒だって真慕にもう、辛い思いはして欲しくないんだ
「ほんと葵は真慕くんに甘いね
そうだ、今度会わせてよ。話してみたい」
いまさっきの話の流れから会いたいと言われるとさすがに警戒してしまう
だって真慕にあの日のこととか聞かれたら。
「真慕は、宝物なんです。本当に、大切なんです。
それを踏まえていただけるのなら」
でも、先輩は精神科医で心のプロだ
きっと真慕にとって、プラスの時間になってくれるはず
念を押して頷いた
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