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32 side菅野
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side菅野
センター街からすぐ側。
住宅街、わかりやすい目印、しっかりと夜道を照らす街灯、広い道路に歩道。
場所からしてもう既に気遣いが垣間見えた
今度新しい家を建てると言っていたがこの分だと場所にもきっとこだわっているのだろう
「こんにちは」
玄関の鍵を開けてくれたのは葵の結婚相手、真慕だった
実際に会ったのは初めてだが写真を見せてもらったことはあって真慕だとすぐに分かった
玄関先の相手が俺ではなく、他の誰かだと思っていたようで、俺を見た途端小さく息を飲んで数歩後ろに下がった
「…葵。」
小さく震えた声でそう呼ぶ
すぐに後ろから葵が出てきた
「あ、こんにちは。遠くからわざわざありがとうございます
こちら、達木崎真慕(たちきざき まも)です
よろしくお願いします」
当然だが葵と苗字は同じ。
想像を遥かに超える美形で、美しいという表現が正しいはずなのに、どこかぬいぐるみの様な愛らしい、抱きしめたくなるような感情が生まれた
背は160くらいだろうか
葵との差は20センチ程。
「真慕、こんにちはしないの?」
「……だれ。」
また1歩、下がった。
試しに1歩近づいてみれば小さく肩が跳ねて、葵の服の裾をバレない程度に掴んでいる
…知らない人には過敏だ。
「葵の先輩、てとこかな
今日は遊びにお邪魔しただけだよ、よろしくね」
「……こんにちは」
そう言った彼を褒めるように葵が髪を撫でる
怯えてはいない…葵との接触は大丈夫。
深い触れ合いはしたことが無いと言っていたが、もしかすると特定の人がそっと体を開けばそれに従うんじゃないだろうか
靴を脱いで玄関を上がる
すれ違うだけでも緊張しているのが伝わってきた
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