アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
33
-
「今日は何してたの?突然お邪魔してごめんね」
「…別に。」
頑なに二人きりになろうとしなかった
態度は特段怯えているという感じは見せてこないが、俺のいる位置や置いたものの位置、手の届く範囲などは念入りに確認している印象。
確かにこの子、葵が言うようにデリケートだ
事件以前にきっと、繊細な子。
「コーヒー渡してきてくれる?」
「なんで俺?」
嫌なんだろうな、近づくの。怖いのだろう。
手を伸ばせば触れる距離まで近づくの。
葵もそれが分かっているから1度言ったきり、無理にはすすめなかった
警戒しなくても俺は何もしないよ
そんなことを心の中で呟いてみたり。
コーヒーとお菓子、一通り準備した葵が俺の横に座ると真慕は寝室へと逃げるように居なくなってしまった
葵の傍が1番の安心スポットではない
1人が1番安心する…いや、葵がいると分かっているから敵の的から目を離すことが出来るのか
「このお菓子美味しいって昨日喜んでたんですけどね。
部屋に逃げちゃいました」
言いながらも幸せそうに微笑んでお菓子を眺めている
「結婚してどれくらい経つの?」
「まだ全然です。1年くらいですかね」
「付き合いは長いの?」
「そうですね
真慕が中学一年生の頃からの知り合いです」
真慕がいなくなってしまって葵と他愛もない話をしていた
少しして真慕が部屋から出てくる
ダメージジーンズにオーバーサイズの黒Tシャツ。
それから左手の薬指に指輪が嵌められていた
シルバーのキラキラした指輪。きっと結婚指輪。
「…でかける。」
呟くようにそう言ってリビングを通り過ぎる
「え、どこいくの?」
葵が慌てて呼びとめれば「絢。」一言そう言って居なくなってしまった
「絢(あや)って?」
「真慕の友達です
どうします?3時間くらいで帰ってくると思いますけど」
「せっかくだし少し話したい。
今日は一日暇だし居てもいい?」
「もちろんです」
そして葵の言った通り3時間が経過した頃。真慕は絢と呼ばれた友達を連れて帰ってきた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
33 / 375