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「そういえば決着つけるって約束してたのに2回目行ってないな」
笑いながら絢はマスクがズレないように指で抑えながら言葉を落とす
「あの話は無しになったじゃん」
「なってない
お前シューズがどうとか騒いでたよな?」
「あ、そうじゃん。葵、そういう事だから卓球シューズ買ってよ」
「ふっ、はは
ほんとクズ。秒でたかんじゃん」
「卓球シューズ欲しいの?
何色がいい?今度カタログ貰ってきてあげるね
あ、ユニホームはいらない?」
「はー、葵も葵。
甘やかしすぎると真慕が生意気になるよ。まぁもう社会舐めてるか」
「いいんだよ真慕は。楽しい気持ちだけでいいの
後のことは全部俺がやる。真慕の為にやってあげたいからさ。」
「……ユニホームは要らない」
「ええ?真慕のユニホーム姿見たかったのに…
わかった、じゃあ靴だけカタログ貰ってくるね」
「…次はそれ履いて絢に勝つの。」
「そっかぁ。可愛いし絶対勝てるよ
だって真慕可愛いからね」
葵は完全に頭おかしくなったし…
絢も同感なようで苦笑いしている
それから少し談笑できた
立ち回るのがうまいのか、状況を理解してくれたのか、絢は上手いこと真慕に質問を振ってくれた
そう言葉を交わしていないのにこちらの意図を汲んでそういう事ができるあたり、常に周りを見ている子なんだと思う
「じゃあ病院ならどう?見学だよ。俺案内するし」
外出の克服を促そうとさり気なく真慕に話題を振った時だった
「……そ、…るい」
大きい建物や人が集まるところ、比較的綺麗な建物に行くことに抵抗がある
それも、普通は逆であろう昼間に出かけるのが特に無理らしい
「…そ、ゆう、話…もってかれたのわかる…嫌だった」
「あ?泣くなよ」
様子がおかしくなってから、涙が零れるまでは一瞬だった
突然ボロボロ泣き出してしまった真慕に絢が驚いて背中をさする
「いや、嫌っ!…嫌なの、やだ……やめてっ、行きたくない」
「真慕、大丈夫。
無理やり連れて行ったりしないから。ね?」
葵が直ぐに言い聞かせるようにそっと囁くが、真慕は恐怖に包まれてしまっている
「………っ、うぇ…げほっ」
「っ!
真慕ちゃん、怖がらせちゃった?」
戻してしまった
絢も驚いたようで微かに目を見開いた
「やめて、……あおい、っ」
「大丈夫だよ。」
「ごめん、別の部屋行っててくれる?」
葵に言われ、今は落ち着かせることが最善だと判断きて驚いて固まる絢の手を引いた
その瞬間、「…っいた」と小さな声で呻いたのが分かって咄嗟に手を離す
「ごめん、大丈夫?」
「…口で言えばいいじゃん。突然触んな。」
絢は言い残して俺よりも先に隣の部屋へと入っていった
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