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「俺に好かれたいの?」
絢の目が悪くてよかった
こんな表情してるところ見られたら警戒心が強いこいつはそれこそ秒で俺に対して分厚い心の壁を作っていただろう
「うん、好かれたいね」
「でた。その胡散臭い感じ」
「ねぇどうしたらいいの?教えてくれなきゃどうしようもないじゃん」
「…面倒臭い
俺は真慕みたいな人好きだよ
そして嫌いなのはお前みたいな何考えてるか分かんねぇ奴」
「…へぇ?」
「ますます信じられなくなってきた、お前ほんとに医者?
葵は良い奴なのに同じ職場でこうも違うんだな」
真慕、葵…って。
───パチッ
電気をつけた
部屋が一瞬で明るくなって目の前が白くなる
「…っ!」
ガタン、慌てた絢はマスクを取ろうとして机に手をぶつける
マスクを着けるまでの間、片手で顔を隠した絢に近づくと両手を掴んで、顔を上げさせた
ビクリと体が震え、視線が落ち着かなくなる
…人に顔見られるの、嫌なんじゃなくて、苦手なんだとすぐに分かる
トラウマ持ち、かな。
「絢、こっち見て」
「っ、やめて」
「あーや。」
「っこの、野郎…!」
「真慕と葵の話をしたお仕置き…なんてね
俺、絢のこと好きみたい。好かれるように頑張りたいんだけど、どうしたらいいかな?」
「…ま、マスク…させて」
「どうしたらいいの?本気で欲しいんだけど」
電気をつけてみる絢は余計に綺麗だった
俺から見えないように顔を横に逸らし、そのあと深く俯かれる
顔を上げてくれるまで待っていようかと思ったが次第に押さえ込んだ手がプルプルと震えてきて仕方なく手を離して電気を常夜灯に戻した
「はぁ。なんで答えてくれないの?」
諦めて自分の椅子に戻る
「───…い、今ので100%無理になった」
…え。声震えてんだけど
その震え方が尋常じゃなくて思わず顔を上げる
額から汗が伝っているのが見えて、さらに手の震えがより一層大きくなっている
…これ、本気で無理な時の反応。
「あー…悪い。
どうすれば落ち着ける」
「離れて、てくれれば…」
「分かった、少し離れる」
言い残して自分の書斎へと入った
こういう時、落ち着かせてやることよりも本人がどうして欲しいかを聞くことは大切だ
まぁ、強引にやりすぎてパニくらせた原因は他でもない俺なんだけど。
それから30分。
さらに1時間経った
特になんの動きもなく、そっと覗いてみると夕食を食べ終え、ソファでマスクをしてテレビを見たいた
平然と。
何も無かったかのように。
思わずどんな表情になっていいのか分からなくなりじっと見つめていれば、気づいたのか目が合い「反省してろクズ」と不敵に笑って言われた
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