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「悪かった。マジで」
素直に謝れば絢は驚いたように微かに目を見開く
「そういうのは謝るんだ」
「だって本当に嫌なことしたし」
「…ふっ。
いいよ別に気にしなくて」
「許してくれるんだ?」
「まぁ俺ごときが許す許さないを決めるのもって感じしますし」
俺ごとき、って。
こいつさっきも思ったけど周りのことよく見てるのもあるし、それ以上に自分のことはどうでもいいと振り切っている説があるというか、…瞬間的な場面では感情的になっても少し経つとどうでもいいことと様に対処する
それは自分の身に起こっていることだからそうできるのか、それとも感情の起伏が穏やかなのか。
まぁ、どちらかというと前者。
けれど、それも確実な正解じゃない
きっと正解は「どうでもいいと割り切りたい」それが本心。
だからこういう許し方をするし、話せば答えてくれる。けど、自分がどうなってしまってもいいと完全には割り切れないから、嫌だったり怖いと思った時、咄嗟に頭がパニックになるのだろう
そういう時、絢は相手を許せなくなるし自分のことも嫌になる
そして落ち着いてきた時に後悔する
どうでもいいじゃん。それなのにって。
繊細なやつだから相手にその攻撃的な気持ちを向けたことがブーメランもいいところで、倍になって返ってくることもあって、それが結果自傷行為になる
……そういう、事なんだろうか。
「悪かったな。さっきのは俺が悪い」
「…だからいいですって別に。」
くしゃ、と後ろから髪を撫でて俺は先程の夕食をとるためにキッチンの傍にあるテーブルに向かう
「風呂も沸かしたから先入れよ」
「あー…ありがとうございます」
「タオルとか自由に使っていいから」
「はーい」
スマホを弄りながら空返事を返される
風呂から出たあとマスクどうしてんのかな
…取るのか?
いや、流石にあの感じでは取らないか
でも眼帯くらいはとる?
先程見た絢の顔がドストライクにも程があるだろという程好きすぎてもう1度見たい。既に見たすぎて堪らない
マジで俺、人の顔とか性格とかこんなに気になることって1度もなかったのに。
どちらかと言えば、興味を持つために頑張るくらいで、自分の内側から湧き上がってくるこの高揚感は今までに感じたことがなかった
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