アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
49
-
「寝言とか言ってなかった?」
「わかんね。なんも気づかなかった」
「ならいい。
ねぇ、仕事何時に行くの」
「今日は8時で間に合う
日によっては午後からとかもあるけど」
「へー割とゆっくりなんだね
じゃあ出勤ついでに真慕のとこ置いてって」
「別にいいけど。
今日は泊まんねぇの?」
「同じ家に連日泊まるのは避けてる」
そう言いながら冷蔵庫を開け、勝手にさけるチーズを食べ始めた
「じゃあ今日は他の人の家に?」
「うんそう。目星はついてる」
最初は裂きたかったらしいが見えずらくて出来なかったのかそのまま齧っている
もちろん、マスクの下から。
「今日も、うちに泊まれば」
少し考えてから口を開いた
俺の知らない誰かの家にいて欲しくない
昨日「なにもしてこない」と言われたが、何かしらしてもいいのかと聞けば「どちらでもいい」と答えられた
昨日はただ寝ただけだったが、人によってはセックスしたりするのだろうか…
絢の乱れた姿を見ていい気になる男も女も。
…はぁ、ダメだ。
閉じ込めたい
俺だけにして欲しい。
俺だけに心を開いて欲しい。
俺だけを頼って欲しい。
俺だけに、素顔を見せて欲しい。
誰にも肌を晒さないで欲しい。
「は?いいよ。」
そんな思いとは裏腹に絢はさっぱりとしている
「いいじゃなくて、俺が」
「俺が?何。」
何も期待していない瞳に「心配だから」とか「気になって仕方ないから」とか、とてもじゃないがい言いずらくて口を開けない
「…いや、なんでもない
また泊まりに来な」
結局言葉にならないまま、その話題は終わる
「ねぇ菅野」
「菅野って距離遠くない?名前で呼んでよ」
「ゆきひろ、だっけ?長い。」
「別に長くないだろ
4文字だけ。まぁ絢は2文字だけど」
「ゆきひろ…じゃあ、ゆきって呼ぶ」
スマホを弄りながら何気なく落とされる言葉
「ゆき」なんて、そんな可愛い呼び方…
絢の声で聞くと尚のこと愛着が湧く
「あだ名とかつける質なんだ?」
「あだ名ってか、覚えられるように呼び方決めてるだけ。じゃないとすぐ忘れる」
「なるほどね。
じゃあこれからは菅野じゃなく、ゆきって呼んで」
「……なんかムカつく。」
じ、と睨まれて思わず苦笑した
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
49 / 375