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「───ちゃ、……絢…」
「…ん、なに…?」
「おはよう。疲れてた?」
背中をさすられ、声をかけられて目を覚ました
ソファに突っ伏す形で寝落ちていた様で、左手に握られたスマホを見れば20:30と表示されている
え、めちゃくちゃ寝てたじゃん。
真慕と他愛もない話を結構な長時間して、それからコンビニに出掛けてお菓子とチキンと飲み物を買って、帰ってきてからテレビを見ていた
夕日が差し込んでいたから多分夕方。そこからの記憶は薄い
寝起きで目を覚ましたくて深く深呼吸をしたからか、突然の酸素に噎せる
「大丈夫?」
「…大丈夫。あれ、葵?」
「ただいま。今さっき帰ってきたよ
夜ご飯にしようか」
寝る前はソファに座っていたはずの真慕の姿がなくて、キッチンの方を見ればレンジでなにかを温めていた
「うん」
「あ、ねぇ絢ちゃん」
「なに?」
「先輩が、ちょっとお話したいことあるって言っていてね、連絡欲しい。ってこれ渡されたんだ
今少し時間あるからお話する?」
葵が差し出したのは名刺。
菅野ゆきひろと書かれている
「これ、仕事用じゃないの?」
「これは仕事用番号じゃないのが書いてある名刺。
嫌じゃなかったら連絡してみたら?」
葵が自分たちのことで、名刺まで預かっている
正直あまり気は進まないが、葵にいつまでも俺とゆきの間をとらせるのは申し訳ない
寝起きでまだ若干ぼけっとした思考の中でそう考え、「わかった」と名刺を受け取った
「隣の部屋使っていいよ」
そう言われ、リビングを出る
案内されたのは6畳程の洋室で、女の子が住んでいるのかと言うほど可愛らしいぬいぐるみだったり、小物。雑貨が展示品のように綺麗に並べられている部屋
寝室とも違うようだし、どちらかの趣味?
案外真慕好きなのかな、こんな雰囲気
ぼんやりとそんなことを思いながら部屋の電気をつけると近くにあった椅子に座った
少しスマホを弄って、その後その名刺を見ながら電話番号を押した
数コール後、プツ。と繋がる音がした
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