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「なんで俺がそこまで…」
思ったままつい言葉に出てしまう
「絢が俺の知らない時に知らない人とセックスしてるのが耐えられない
ほんとに、嫌なんだけど。」
「知らないですよ
てか、関係ないでしょ。俺がいつ誰とヤったって」
「絢はセックス好きなの?だからそういう人を切りたくない?」
「…別に好きな訳じゃない。でも1番、求めて貰える気がする…1番、わかりやすい…」
声がどんどん小さくなる
小さくなって、小さくなりすぎて声にならなくなった言葉。それはナカに注がれた精液だったり、掴まれた腰の痕だったり、相手の汗、イくと言いながら痛いくらい打ち付けられた時、ナカに出されてお腹が痛くなった時。そういう、人には言えないような汚くなった時に初めて、やっと、分かりやすく「求められているんだ」って思えること。そして、その安堵で眠れるってこと。
本当はこういうことを始める前、誰かに抱きしめられながら眠ったり、優しくお腹をトントンってして貰ったりしたかった
けどそんなことなんの差し出しもなくしてくれる人なんて中々いなくて。
結局人肌が恋しくなってそうい事をするようになった
今となってはそういう快楽の中で意識を強制的に落とすことでしか眠れない
そういう点で言えば、ゆきの昨日の抱きしめ方はある意味抱かれた時みたいに、小さな安堵感があって、だからこそ眠れたんだと思う
ああいう寝方は久しぶりにした
葵に言ったらきっと褒めてくれる
葵は俺のこういう生活を知っていて、辞められたらいいのにね、って辛そうに言うから
…俺だって本当はやめたい。だって結局虚しいんだ
次の日に病み散らかすのは目に見えていて、そんなんだから真慕にも「メンヘラ」なんてあだ名つけられる
「…俺とセックスしない?」
俺が黙ったのをみたゆきは、んー。と唸っていると思ったらそんなことを言ってきた
「え」
思わず間抜けな声が零れる
「嫌?」
「え…いや、したいなら…いいけど」
じゃあ決まり。そういうとゆきは俺の手を引いて立たせた
「準備手伝わせてくれる?
絢が他でしたく無くなるようなセックスする」
「…何言ってんの」
自分で言うのもあれだが、かなりの回数してきている
上手い人もいれば下手な人もいた
それなりに経験は積んでいて、他にいけなくなるようなセックスなんて今まで無かった
それに、他にいかせない為のセックスなんて、そんなのまるで俺のこと好きみたい、って。いや、好きなのか
だから告白された
「準備はいつも1人でしてんの?」
「マジですんの?」
手を引かれながらお風呂場に連れていかれ、もう一度問う
「嫌?」
「ゆきがしたいならすればいいけど…」
「じゃあする」
「ふっ」
思わず笑ってしまう
ゆきって意外とセックスとか好きなのだろうか
「触られると嫌なところとかある?事前に気をつけたいから」
「…萎えんじゃない
そういうところあると。」
「絢にも気持ちよくなってもらいたいから言ってんの。別にそれくらいじゃ萎えない」
元気かよ
内心思いながらも、そんなこと聞かれるの初めてで戸惑う
聞いてきたのは向こうだし、言ってもいいんだろうか
ちら、とゆきを見ればすぐに目が合って「教えて?」と言われる
「……リスカの痕…嫌…あと、口系はやめて欲しい
それと、電気消すのは、必須。」
初めて言った
こんな、自分本位のリクエスト。
初めて聞かれた
俺も気持ちよくなるために、なんて。
「ん。了解
教えてくれてありがとな」
よしよし、と言わんばかりに髪を撫でられ何故か一瞬で視界が歪む
ぽろ、と頬に水が流れて自分が泣いているんだと気づいた
なんで。
しかもこんな一瞬で。
慌てて手で目元と涙の流れた頬を隠す
「お前ってほんとに健気だよね」
けどそれは逆効果だった様でゆきは俺が泣いているのに気づいたのか困ったみたいなそんな弱い笑顔を向けてきた
「は?意味わかんない」
「相手に求めてもらいたくて必死に頑張ってるんだもんなぁ」
それはもうゆきの独り言に近かった
あまり分かったように心の奥に入り込まれるのも嫌で無視した
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