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80 side絢 遊園地デート
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side絢
待ち合わせの20分前。
遅刻をしてしまうと胃が一日中ズキズキしてしまう質なので余裕を持って到着する
これを真慕に言ったら「1日も引きずるの?そういうところがメンヘラって感じだよね。まぁ絢のいいところだとは思うけど」と言われた
こういうところが重いって言われるのは分かってるけど直せないんだからしょうがない
そんな思い出到着してベンチに腰掛けること5秒。
すぐに声をかけられた
「…ほんとに来たの」
本当に遊園地デートする気かよこいつ。
しかも20分前。
「それは俺のセリフ。」
「は?お前が来いって言ったんだろ」
俺は乗り気じゃなかったんだ
なのにやるから来いってそれしか言わないし…
「チケットはちゃんと持ってきた?」
「え、チケット?」
「渡したじゃん。もしかして忘れた?」
「……え、あ…」
嘘。チケット?え?
渡されてたっけ…?
記憶を遡ってゾッと青ざめる
キュッと胃が痛くなってそれから唐突にゾクリと体が冷える
相手の好意を無視する行動
相手を立てられない行動。
こういことをしてしまった時、「お仕置」なんて言われて散々乱暴なセックスをさせられてきた
俺が悪いのは分かってる
けどやっぱり反省と同時に怖くて堪らなくて、そういうものが染み付いてしまっていて今も一瞬で頭が真っ白になって分からなくなる
なんでこんなミス…
自分がぶら下げているのはウエストポーチ
開けてみても出てくるのは薬のポーチと財布、それからケータイだけ。
やってしまった、どうしよう…
どうすれば…
「絢」
「…っ、」
「まったく、俺の絢ちゃんは繊細だなぁ」
びく、と後ずさる俺をゆきはすぐに捕まえた
それから確かめるように背中を撫でられ、いつもの様にすました顔をする
「忘れたなら忘れたでいい。それだけの事。あんな小さい紙忘れるのも無理ないって
あそこでも売ってるし今からでも中入れるんだからそんな怯えた顔すんな
大丈夫だから。」
「……今から、取ってくる。少し、待ってて?」
若干震える手を隠しながら、ゆきの顔色を伺いつつそっと聞いてみる
前にお仕置きと言って玩具攻めされた事があって、ほんとに息が苦しくなって意識が飛んで、終わってからの痙攣が止まらなくなったことがあって、ゆきはそんなことしないだろうって思っても自分が悪いことをする=お仕置 で記憶が思い起こされてしまって胸の当たりがぐちゃぐちゃになって気持ち悪い
「顔色悪すぎ。
1人にしたくないんだけど?」
「……その、えっと…」
チケットが今どこにあるのか。
置いてあるであろうもうひとつのリュックの脇ポケットの中と予想して、どの乗り物に乗って取りに行けば1番早くここに戻ってこられるかの計算を必死にする
「大丈夫だって。俺はチケットどうのより絢が来てくれたこと自体がめちゃくちゃ嬉しいんだから」
俺は焦ってもう手が震えているっていうのにそんなことを言って隣に座ったゆきがスマホの画面を見せてくる
「癒し画像。」
「…は?」
「ほら、可愛いだろ?」
「…うん」
ゆきのケータイに映るのは赤ちゃんパンダの画像。
何でこんなのフォルダに保存してるんだ
「今日は絢のこと沢山知って、それで仲良くなりたいんだよ。
仕方なく付き合ってやってるんだって気持ちでいいから、ほんと気楽に俺と遊んでよ」
「……」
「それに、渡したチケット1ヶ月有効なの。また来ようよ?
俺は早速、絢がおっちょこちょいって知れて嬉しいんだけど
意外と抜けてて可愛いんだね」
「…ほんと、ごめん」
「マジでいいって。むしろまた絢と遊ぶ口実ができてラッキー」
「…バカなの」
隣に座ったゆきの足を叩けば「好きなの」なんてアホみたいな答えが返ってきた
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