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81 sideゆきひろ 遊園地デート
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sideゆきひろ
「…ふふ」
暫くは怯えたように少し距離を置かれたけど、言葉をかけてやりながら園内を歩いていると徐々に緊張が解けてきてくれたようで、少しだけ楽しそうにしてくれている
「今可愛い顔した」
「は?何言ってんの。キモいから見るな」
絢について今日知ったことは既に沢山ある
遊園地に来て遊園地のチケット忘れるとかおっちょこちょいすぎて可愛い。何しにきたのこの子って感じで天然なのかもしれないと思った
それから歩くスピードは随分ゆっくり。
早く歩けば着いてきてくれるけど、さり気なく絢に合わせて歩くとのんびり歩く子だった
他にも、アトラクションに乗るよりもショーを見たりお店に入って販売物を見たりする方が好きだというのも新発見。
それから気づいてしまった絢の可愛い癖。
無意識だろうが、何かをしてあげたり、店員さんからお釣りを貰った時、ことある事に絢は小さな声で「…ありがと」と言う
相手に伝えて言っているようにも見えない
多分自然に呟いてしまっているんだろう
小さな声でありがとうと言う。
それはどうしようもない可愛い癖だった
「そろそろ昼飯にするか」
「…ゆきが食べたいのにする」
先手必勝並に、選んで。と飲食店の情報が書かれたパンフレットを渡される
さては選ぶの嫌いだな?
「んー軽食ばっかだな。」
見てみるとカフェだったり食べ歩きできるものだったり。
あまりお腹にたまりそうなものはない
「ほんとだね」
ひょこ、と顔を近づけてきてパンフレットを覗き込む
シャンプーのいい香りが鼻を擽って思わず触れたくなってしまうけど、絢は触れること自体に敏感だしあまり唐突に触りすぎるのも良くないかもしれない
まだ絢のことを分かっていない今は余計に。
「腹減ってる?」
「まぁそれなりに」
「じゃあここかここか、それかここだな。
何処でもいいけどこん中だったらどれがいい?ちなみに今いるのはここ」
ほんと気使うよねこいつ。
沢山ある食べ物の中からお腹に溜まりそうなものを探してくれて、それからマップを開いて今の位置まで。
「じゃあここにするか」
絢が見せてくれた中から1番近い店を指さす
「俺もそこがいいと思った」
ほんとかよ。
いつかは「これ食べたい」くらい自然に言わせてやれる仲になりたい
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