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82 遊園地デート
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「ふー、遊んだ遊んだ」
ジェットコースター系は苦手らしく、ショーを見たり水上をゆっくり移動するタイプのもの、それから映像を見ながら少し椅子が揺れる程度のアトラクションを主に乗った
絢は何だか小さいパンダのぬいぐるみを買っていた
ぬいぐるみとか買うんだ、と言えば、は?ストラップじゃん、なんて言われたけど俺からすればどちらもそんなに変わらない
もう日も暮れていて通り過ぎていく人達の顔は見えない
「ゆきってこういうところ好きなの?」
絢は本当に目が悪いから、暗さで見えずらくなってはぐれてしまうといけないと昼間よりもずっと近くをのんびり歩く
「そんな風に見える?」
絢は今どきって感じだし、綺麗な子だからこういう場所でも浮かないけど俺は32になるし今日だってきっと浮いていたに違いない
「全然。だから聞いたの」
「正直何年ぶりだろってくらい。全然来ないよこういう所は」
「じゃあなんで来たの?」
「仲良くなるには食事よりこういうのでしょ」
「そういうもんなの?」
「現に絢のこと少し知れた気がする」
「どんなこと?」
「俺が思ってたよりずっといい子」
出口に向かいながらそんな会話をする
今日は一緒に出かけられて本当に良かった
「俺の事いい子とか見る目無さすぎじゃん」
「見る目には自信あるけどな、俺。」
「どうだろうね」
出口でチケットを係の人に渡す
絢はまた小さな声で「ありがとう」と言っていた
駐車場までの道。
絢が突然立ち止まるからどうしたのかと思えば、どこで別れるか迷っているらしい
「泊まってくれないの?」
「泊まって欲しいの?」
「そうして欲しい」
素直にいえば、絢はクスリと笑ってそれから小さく頷いてくれた
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