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83 遊園地デート帰り道
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side絢
「眠いなら寝てて大丈夫だぞ」
「…ん。」
「あと15分くらいで着くからな」
「わかった」
一言で言うなら、平和。
ゆきは煽ってきたり口が悪い時があるけど、根は穏やかっていうかちょっとやそっとじゃ焦ったり怒ったりしない
いつも平常心って感じ。
帰りに運転してもらってしかも車内で目を瞑るとか、どんな優遇措置だ
初めてだ。
眠るために身動きしたら、カサ。と手の中の袋が動く
あぁそう言えば俺、アホみたいなの買ったんだっけ
チケット忘れるとかそれでいて慰められるとか、どちらも初めてで、どうしていいか分からなくなると同時に、あぁ、何もされない。って凄くホッとした
落ち着けるために見せてくれた赤ちゃんパンダの画像。
あの状況で見たから余計に緩くて、そして安心できた
店を回っていたら似ているふわふわのストラップを見つけた
それを見ているとちょっと肩の力が抜ける気がして、こんな所に来ることなんてもう無いだろうしこれくらい小さいものならあっても邪魔じゃないし、それにその…思い出になるかな、なんて思って買ってみたりした
袋の中の小さいパンダ。
帰ったら早速開けてみよう
…どこにつけようかな
「混んでるから少し遅くなるかも」
「うん」
ゆきと別れて次の人と付き合った時に捨てろと言われればきっと捨てるから長い付き合いにはならないだろうけど、それでも今はちょっとだけこの小さいストラップのそばに居たい
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