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葵は抱っこしたままカウンセリングルーム内のトイレへ連れていってくれた
「ゆっくりでいいからね」
病院服に着替えさせてくれた後、もう一度トイレへ向かい葵が安心させるように撫でてくれた後そう言い残して出ていった
便器に座るとまたちょろちょろと尿が出てくる
あの日のことを思い出して漏らしてしまうのは3回目だった
2回目の時に不安で涙が止まらなくなって、葵が病院に連れて行ってくれて、その時医者に「当時のことを体が鮮明に覚えていて、記憶と体験が繋がってしまうのかもしれない」と言われた
その時は分からなかったけど、俺は怖いと思ったあの時に漏らした
きっとそれが関係しているんだろうと言われたことを後から理解した
つまり 怖くなる=漏らす ってことらしい。
尿意が完全になくなってからトイレを出る
床は葵が拭いてくれたようで綺麗になっていた
「…ごめん、ありがと。」
「いいえ。それより真慕ってやっぱり病院服似合うね」
「何言ってんの」
もうさっきの事を掘り返すつもりは無いらしく、俺を見てそんな言葉を落とす
「病院服ってこんなに着こなせるんだって感動中」
「別に着こなしてないし…ね、帰ろ。もうやだ」
くい、と服の裾を引っ張る
「うん、そうだね。寒くない?これ持っておきな」
渡されたのは持ち歩ける小さなカイロだった
指先からじんわりと熱が伝わる
葵といるといつも、すぐに嫌なことが終わる
そしてそれは大分ヤバいっていうことでも、トラウマになったような事は、1度もない。それは誤魔化しようもなく、葵のおかげだと思う
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