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95 1ヶ月記念日 side絢
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side絢
ゆきと付き合い始めてから何だかんだ1ヶ月が経った
今日で1ヶ月と1日。
昨日はゆきの家に泊まるという約束をしていたけど病院帰りに体調が悪くなってドタキャンした
連絡もせずに、ほぼ帰らない一人暮らしのアパートに戻り、吐いたり過呼吸起こしたりしてたら電話がかかってきた
「いつ来んの?」
って。
そうか、今まで淡白な付き合いしかしていなかったからその時、その場に相手がいなければそこまでの話だったがゆきはそういう付き合いはしたくないと言っていた
両思いになりたいんだって。
せっかく落ち着いたのにまた呼吸が乱れないように胸の辺りを強く握って声を出した
「行かない。あした行く」
と。
「1ヶ月記念のパーティ付き合ってくれるって言ったじゃん。今どこにいんの?会いたいんだけど」
「…あー、だね。忘れてた」
忘れてない
ゆきは結構前から1ヶ月記念パーティしよ。こんな時じゃないとピザとかチキン食べるきっかけないし。って、俺の為に好物を用意しようとしてくれていた
けどほんとに誤魔化せるほど体調の崩れは僅かではなくて、こうして電話越しにリラックスした体制で話しているだけでも辛い
「テーブルに馬鹿みたいにいっぱいジャンクフードあるんだけど?
俺一人で舞い上がりすぎ問題。」
電話越しの声は怒っていない
むしろ少し楽しそうだ
「あした」
「ん?」
「あした、…に、する…っげほ」
「絢?どうした、どこいる?」
やばい、呼吸おかしくなってきた
「ごめん、明日行くから」
本当に申し訳ない気持ちになるのはゆきのことをどうでもいい存在とは思えなくなってきているから。
きっと徐々に、ゆきの望むようになっている
そのまま強引に電話を切ると案の定過呼吸になって、それから意識を飛ばした
目が覚めたのは夜中で、呼吸と吐き気は落ち着いている
病院から貰った薬を飲んで、いつもの流れでタバコに火をつけたら思い切り噎せた
ため息を吐いてケータイを開く。
ゆきからの着信はえげつなかった
そして日は昇って、夜眠れなかった分、朝から昼にかけて寝て、そして夕方頃家を出てゆきの家へと向かった
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