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97 1ヶ月記念日
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「…ピザは?」
テーブルの上に沢山あると言っていたピザやチキン。
それらはどこにも見当たらなかった
ゆきの家に入って、もしかしたら全部捨てたんじゃないかって、直ぐにその事に焦って視線がゴミ箱へいく
「冷凍しといた
温め直したり揚げ直せばいける。
今の時代何でも冷凍で長持ちさせられるから」
「…そう」
俺のせいで食べ物が無駄になっていなくて良かった
ゆきが怒っていなくてよかった。悲しんでいなくてよかった。
「ねぇ絢。これからもお付き合いの程、よろしくお願いします
2ヶ月目の記念パーティはどこかへ出かける?」
「まだ好きなの?俺の事。てか記念日とか一々面倒臭い」
「日を増す事に好きになってる。大分ヤバいレベルまで到達してる」
「さすが変態」
「それに、記念日は俺が覚えていたいだけだから絢は言われてから思い出してくれるだけで充分。勝手に祝うくらい許して」
その後、沢山冷凍されているジャンクフードの中からポテトひと袋だけを揚げ直してもらってふたりで食べた
「聞いてもいい?」
「昨日のこと?」
「そう、心配なんだけど。ほんと苦しそうだった」
「…ゆきが聞きたいなら言ってもいい。
けど、変に配慮されたり周りに言ったりするのはマジでやめて」
「わかった」
目は会わせたくないし顔も見られたくないのでソファに座るゆきから見えないようにソファから降りて視線はテレビへ向けた
「…昨日のは過呼吸。
医者なんだから見たことくらいあんでしょ。息が変になるやつ
5年くらい前から酷いの。
同時に、ばーって吐いちゃったり意識飛んだりとかあって、それ見た前の彼氏がやばいってうるさくて、1回病院行ったら医者も危険だって引かなくてそれから週一で病院に通ってる。
なんかウザいくらい良くなんないんだよね
分かってても、実際なると今回こそは死ぬかもってくらい。
薬で落ち着けたりしてんだけど、ダメな時はそもそも薬飲めないし。
昨日も電話切ったあと意識飛んじゃって電話もメールもなんも気づかなかった」
せっかく揚げ直したのにもう冷たくなってしまったポテト。
小さな1本を食べる
冷たいけど、柔らかい。
ポテトってほんと美味しい、これ考えた人には酷い抱かれ方をされても許せる
「絢…それって結構、やばくないか」
ゆきに肩を捕まれ振り返る
そんな大袈裟な…
「んー。やばい、かな?」
「え。待って…まてまて
ほら、まずここに寝ろ。その状態から一日で普通に行動するな安静にしろ」
ゆきはいそいそとソファから避け、ブランケットを俺にかける
…心配、するんだ
こういう事を口にしたとき、大体の反応は構って欲しいんだろとか、そういうものばかりだったのに。それは別れ話にも直結するような話なはずなのに。
ゆきってなんでこう…
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