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100 1ヶ月記念日 sideゆきひろ
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「どしたー」
「っ、くる…し」
意識が完全になくなり、眠り始めたかと思いきやうんうんと唸りだして冷や汗までかきはじめた
横向きにしてやって背中を撫でながら声をかける
「大丈夫、よくなるから焦るな」
寝ているのだから、焦るわけがないのに。焦るなの言葉はブーメランで自分に返ってきた
「ん、ぅ…」
意識はない。それでも絢は苦しいと言う
「無理するからこういう事になんだよ。全く」
「……っ、っ」
呼吸、嫌な感じだな。
でもこういう時にできる事って殆どなくて、体制を楽にしてやったり背中をさすってやったり、それくらい。
でもあるのと無いのとでは違う。
俺は絢の背中をひたすらさすった
苦しいのか首や胸を抑えたり、唸ったり、終いにはマスクまで乱暴に外した
苦しそう。その一言に尽きる。
絢の顔が大好きな俺だけど、こういうタイミングで見るのは違うよな、きっと嫌がるし。極力見ないようにしながら背中をさする
でもたまに見えた顔は相変わらずドストライクだった
しばらくして一向に良くならないまま、絢が目を覚ました
「おはよう」
「……ん、はよ。」
口を触って、慌ててマスクを付け直す絢に「見てないから」と一応言っておく
「吐き気とかは?」
「…」
絢は何も言わずに俺をじっと見る
目を逸らされ、言葉を発さないままむくりと起き上がり壁に寄りかかった
「…………別に。」
少しして小さく呟かれた言葉は俺を頼るものではなかった
さっきは頼ってくれのに。
まだ絢の信頼を獲得し続けるには時間が必要なのかもしれない
「どこ行く?」
そんなことを考えていると、絢はゆるゆるとベッドから降り、立ち上がる
「…ちょっと。すぐ戻る」
時折胸の辺りに手を当てては眉間に皺を寄せる
しんどいならしんどいと言ってくれればいくらでも協力するのに。
「ん。了解」
それでも彼が踏み込んで欲しくないと言うのならここで待っていてあげるのも一つの手。
全てにおいて強引にいくのが正しい訳じゃない
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