アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
101 1ヶ月記念日
-
とは思ったものの…
絢が部屋を出て2秒。既に心配でそわそわする
いつも片時も離さず持っているスマホ。
それさえも忘れてトイレの方へ向かった絢に、心配にならない訳が無い
症状的にはさっき話してくれたものだろう。
過呼吸と、それから吐き気。
絢自身慣れているのか、焦っている様子こそ無かったものの、苦しいのに違いはない
少し悩むが、待っているだけではいられずに後を追った
「絢、どんな感じ?」
「…大丈夫。」
「大丈夫じゃなくて」
トイレの扉越し。強めに言えば少しして小さな声が返ってくる
「…なんか、苦しい…気がする。悪化するとあれだし、少し落ち着いたら帰る」
「何で悪化するかもしれないと思いながら帰るんだよ」
「床に吐くかもよ」
「そんなの気にしなくていいから。」
床は拭けばなんとでもなるけど、息が苦しいという絢を帰してしまえばどうなるか分からない
「どう苦しい。喋れる範囲でいいから教えて」
「いいよ、大丈夫。」
「いいから教えろ」
「息、タイミングずれる、感じ…詰まる」
諦めてくれたのか、渋々答えてくれる
トイレの扉は開いていて、そっと開けると傍にしゃがんで声をかける
「身体起こしてた方が楽?」
「ん…」
じゃあ今のままが楽か。トイレの壁に寄りかかって脱力する絢
吐き気もあるからトイレにいたいのだろう。絢の場合、無理に動かすとかなりのストレスを与えかねないしな
その場所から移動させることはせず、ペットボトルやタオルケットを渡した
「…これさ、心理的なものって言われたんだよね
日頃のことが溜まって、こうなるって。
でも、普通に遊んだ日の次とかもなるし…そんなこと言われても、って、感じ…」
だろうなと思う。
絢みたいな人は割と過呼吸を起こしやすい
しかも癖になっているから余計に。
「ゆきが俺を安心させてくれたら、減るかもね。これ」
これとはこの症状自体のことだろう。
俯いている絢はどんな表情をしているか分からないけど、ただの冗談だとしても俺は既に決めていた
「減らしてやるよ」
「ふは、治してくれんの?うれしー」
心理的なものだから直ぐにとはいかないが、徐々に減らしていけたら。
最終的には完治まで持っていきたい
「てか、ほんとにもういいよ。
俺に構ってないでテレビとか観て…っん、っ」
「絢?」
眼帯にマスク、俯かれると顔色なんて見えない
突然ぎゅ、と体を縮こませた絢
「っ、ぇ…」
ほぼ胃液だけの少量の吐瀉物が服を汚す
絢は苦しそうにその体制からトイレの便器に向かう
「最悪…ごめん。いきなり来た…」
マジ床ごめん。拭くから、と言いながら、ヒュッと喉から嫌な音が聞こえた
「あー、ヤバい……っ、うぅ…しぬ…」
「床に吐いてもいいから楽な体制とって。」
顔色悪いな
マスクは吐いた事と、それから息苦しさからか外している
いくら床に吐いても良いと言っても絢は気にするだろう
袋を渡せば受け取った
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
101 / 375