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108 初めての side真慕
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side真慕
「ほんとにいいの?」
「いいって言ってるじゃん、言ってきたのそっちの癖に何なの…」
「良いって言ってくれるとは思わなくて」
「冗談だったの?」
「まさか。嬉しくて動揺してるだけ」
「なにそれ」
「ふふ、じゃあお邪魔します」
「お邪魔しますって何
……っん」
首筋に噛みつかれるとビリッとした痛みが襲う
思わず上擦った声が出た
よく絢の首や鎖骨にそれがあるのは知っていて、赤いものもあれば痛いこと間違いなし位に痣になっている時もあるし何なら歯型で血が滲んでいることもある
どんなものかと身構えていたが葵から受けたそれは怯えるほどの痛みはなくて、ただ少し恥ずかしいだけだった
「あぁ、やば、、好き……うう」
顔を両手で隠してきゃっきゃっと照れている葵に「なんだ、そんな警戒しなくても大丈夫だった」と何処か力が抜ける
最近、少し葵に触れたいと思うことが多くなった
以前の自分からすれば有り得ない話だ。
けど、好きになりたいと言って、そして死にたいと打ち明けたあの日「いいよ」と一緒に死ぬことを許してくれた葵に、俺の気持ちは大分動かされていたみたいで、知らず知らずのうちに、でも確実に葵といる時間を大切にしたいと思っている
「これやばい。癖になりそう」
「俺もやりたい」
「え、キスマ付けてくれんの?」
「うん」
独占したいというより、俺だけつけられているのは嫌だ
俺がつけられるなら、葵にも痕を残したい
「ふふ、じゃあお願いします」
くい、と首元の服を緩めた葵の傍により、口をそこに寄せる
こんなの、初めてだ
以前なら絶対に嫌だった
でも今は何故か、葵になら痕を付けられてもいいし、首に唇を当てる、そんな姿だって見られてもいいやと思う
「………よだれついた。」
「っ、かっわいいね、真慕」
全く。葵はしょうがないな、みたいな気持ちでキスマークを残すつもりだったのに全然痕どころか赤くもなっていないし何なら葵の首によだれをつけただけだ
何これ恥ずかしいもうやだ。
もうやんない。
「真慕は赤ちゃんなの?」
よだれを付けられたのに何故かやたらデレっとしてきた葵を思い切り睨んだ
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