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「今までのお薬と少し変えてみよっか」
診察が終わり、書類を見ながら医者が言う
「はい」
今までどんなやつだったのかも知らないけど。
「じゃあこれを薬剤師の人に渡してね
とりあえず4回分。無くなったらまた来てください。その時また症状の問診しますね
それから、夜更かしは良くないから寝れる時は寝るようにね。
朝は早く起きて、夜は早く寝る。体調悪い時は特に。」
…うるさい
普通に寝れたら寝てんだよ。
知らない癖にそんな注意すんな
睡眠に対してセックスという付き物で対処していること、眠れなくてイライラすること。
普段『寝ること』に結構な気を使っているせいで、少し言われただけでも大分イラッとしてしまう
「それから手の傷もこれ以上増やさないように。危ない行為だからね」
わかってる
リスカが良くないことや他人から見ればただのストレス発散の1種。他の方法で発散しろと今までに何回言われたことか。
「絢。…あーや」
「なに」
「トゲトゲしないの。大丈夫、絢頑張ってるし薬変えたから一気に良くなるかもじゃん。
医者の言葉だからって重く受け止めなくてもいいんだよ、切り捨てる言葉は切り捨てる
余計なお世話だ!ってね」
「……ゆき」
ゆきが声をかけてきたのは待合室の隅だった
さり気ない言葉だったけど、今までそんなこと言ってくれる人なんていなくて。
「なーに」
「…さすが精神科、?」
少し潤んだ目を見られない為に きゅ、と後ろから頭をぐりぐりと押し付けた
「どーも」
茶化しも、急かしもせずに、黙って背中を貸してくれた
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