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114 告白 side真慕
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side真慕
昼に外に連れ出されることが多くなった
それによる不安感も大きくなった
そして、葵がいてくれると自分は安心するんだと気づいてしまった
誰も信じるか、もう誰も。
そう思っていたのにも関わらず俺は出先で必ず葵を求める
これじゃあもう「誰も信じません」なんて言っても説得力がない
絢にも葵に懐いてると言われた
他の人の目から見てもやはり俺は葵に依存してる
それが怖い
葵が俺に飽きたら。好きじゃなくなったら。
そう考える日も増えた
怖かった
過去の記憶なんかより、葵に見捨てられることが。
それこそ本当にもう立ち直れない
そんなことを思っている時点で俺はきっと葵に気持ちを掴まれている
そう気づいてしまってからもうどうしていいのか分からなくなった
好きだけど、好きと思ってはいけない
信じたいけど、信じてはいけない
笑いたいけど、笑ってはいけない
何故か自分を抑えている
もうそれがどうしてなのかは分からない
けど葵はどんな俺でも受け入れてくれるんだろう
何もかも忘れて、1からやり直したい。
ちゃんと葵を好きになりたい。
後ろめたさや心に引っかかるこのもやもやを無くしたい
綺麗な状態から葵とやり直したい。
そんな気持ちを酔った勢いで口にしたこともあった
そしたら一緒に死んでくれるって。
純粋に嬉しかった
やり直した俺の世界でもちゃんと葵が居てくれることが。
「真慕、散歩に行こ。」
「んー」
空返事を返して布団に潜る
もしやり直したとして、俺は何をしたいんだろう。
好き、って伝えたいのかな
「そと今日は嫌?」
コートを羽織った姿で寝室に入ってくる
葵が休みの日、一緒に外を歩いて街をぶらぶらする。というのがここ最近の習慣
「んー」
すり、枕に顔を押し付ける
なかなか起き上がって外に出る気にはなれなかった
「横になってたいかな。」
「…いいの?」
「いいよ。急かしたみたいになっちゃってごめんね」
着替えてくる、と部屋を出ていこうとする後ろ姿
布団から手が出て、掴もうとするけど届かない
部屋から出ていく直前、やっと声が出た
「ここに、いて…?」
情けない声。
葵は驚いたように振り返った
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